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中学受験  上位校でなくても進学する意味はある?

子育て・教育

中学受験 上位校でなくても進学する意味はある?

【新連載】第一志望校に合格できる子は全体の約3割 問われる「わが子をどう育てたいか」という親の価値観

「中学受験は普通の子にいちばん意味がある」

 一方で、必要に迫られて私立中高一貫校を選ぶ場合もあります。

 「例えば、住んでいる地域の公立中学が荒れているので心配というケースです。公立中学には公立中学ならではの良さがありますが、そのときに在籍している生徒によって、学校の雰囲気がガラリと変わってしまうという懸念があります。数年前までは落ち着いて好印象な学校と地域で評判だったのに、ここ最近はちょっと生徒の雰囲気が違う、ということもよくあります」

 先輩ママから『あの中学校ではいじめがある』『不登校の子が多い』などの噂を聞くと、そこに通わせるべきか躊躇してしまう家庭も多いようです。安田さんが集めた、中学受験に関する保護者の声が印象的です。

【ある保護者の声①】

「勉強しなくても頭のいい子こそ、正直中学受験なんてしなくても、どんな中学に行ったって、公立トップ校に入ってトップ大学に行けるんです。中学受験をした方がいいのは中堅の子。小学校高学年のときに首都圏模試で50以下だった子が公立に行けば、MARCHレベルの大学に入るのは難しくなります。でも、中堅の私立中高一貫校へ進学すれば可能性がある。中学受験は普通の子にとっていちばん意味があるんです」

 安田先生はこう話します。

 「この考えはあながち間違ってはいないと思います。ひとくちに公立校といっても色々な学校がありますが、全体的に見た場合、現在、公立校では受験のための指導は十分にできないという点は否定できません。

 昨今、私立中高一貫校にとって、進学実績を上げることは、少子化の下で生徒確保をするために欠かせない目標となっています。難関私立中高一貫校の生徒であれば、入学時の段階から高い学力があり、トップ大学を目指すことができますが、中堅以下の私立中高一貫校の場合は、6年間で生徒達の学力を伸ばすための様々な工夫をしています。そのため、補習や講習、受験指導などが充実しており、いわゆる“面倒見の良さ”を期待することができます」

 一方、中学受験をする家庭の中には、次のような考えを持つ親御さんもいるようです。

【ある保護者の声②】

「『鶏口となるも牛後となるなかれ』と言うことわざがありますが、集団の中では牛後になる可能性は、誰にでもあります。牛後になるよりは、鶏口となって楽しく過ごせる学校が良いですね。難関大学合格というストレートな価値観だけでは、感受性豊かな中高6年間を過ごすのはつらいですから。卒業しても同窓会にも行きたくないのではかわいそう。わが家は牛後になる可能性を意識して学校を選びました」

 安田先生はこう続けます。

 「中学受験は子どもがまだ小さい分、親の期待も大きく、また親が主体となって進めていくため、どうしても高望みしてしまう傾向があります。そのため、偏差値の高さで学校を選んでしまいがちです。しかし、頑張って難関校に合格できても、そこにはさらに学力の高い子たちがいます。難関校は成績が上の子ほど輝ける場所です。

 そのため、難関校にギリギリで合格した子は、入学時から厳しい現実が待っています。もちろんそこで大きく伸びる子もいますが、伸び悩んで劣等感が募ってしまう子も少なくありません。そんな思いを抱えながら大切な10代の6年間を過ごすよりは、少しランクを落としてでも、そこで輝ける学校生活を送る方が子どもにとっては幸せではないかと考える親御さんも多いのです。そのほうが子どもの自己肯定感が高まり、長い目でみると幸せな人生を送れるからです

 このように、私立中高一貫校に進学する理由は多岐にわたるのです。

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