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「自分がしたいこと」が分からないと子離れできない

【写真家・作家 植本一子さんインタビュー】(下)母親も“一人の人間” 無理を続けるから逃げ出したくなる

『家族最後の日』『かなわない』など、二人の娘さんとラッパーの夫ECDさんとの暮らしを、淡々とした文章でつづったエッセーが、話題を呼んでいる写真家の植本一子さん。1歳半違いの子どもたちを抱えたワンオペ育児に限界を感じたり、夫へのいら立ちが爆発したり、仕事と育児の両立に悩みながらも、慌ただしく過ぎゆく分刻みの毎日―――。多くの働くママに思い当たる経験が少なからずあることでしょう。

 最新刊『家族最後の日』(太田出版)は義理の弟の自死、実母との絶縁、そして夫のがん発覚と、家族を取り巻く3つの重いテーマと向かいつつも、自分の正直な気持ちを隠さず、もがき、真っ向から向き合っていく言葉が印象的です。そんな植本さんに、「家族」、そして「母であること」について聞きました。

(上)母との絶縁 されて嫌だった子育ては絶対したくない
(下)「自分がしたいこと」が分からないと子離れできない←今回はココ

 写真家として活躍し、家族写真専門の撮影スタジオ「天然スタジオ」を運営、また最近ではエッセーも多数執筆している植本一子さん。小3、小1の娘を育てながら、がんで闘病中の夫であるラッパーのECDさんも支えています。

 大変な状況に奮闘しつつも、ふんわりと肩の力が抜けているように見える植本さん。現実を直視し、痛々しいまでに鋭く斬り込むエッセーとのギャップも魅力です。植本さんが、家族と過ごす毎日の生活で大事にしていることとは?

お迎えがなくなった寂しさ。でも親は子離れしなくちゃいけない。

DUAL編集部(以下――) 今年から下のお子さんも小学校に上がられました。育児が大変だった時期に比べて、少しひと段落したような実感はありますか?

植本一子さん(以降、植本) すっごく楽になりましたね。上の娘が5歳くらいになった2、3年前から「変わったな」という気はしていて。この春から、下の娘の保育園送迎もなくなったんですよ! 

―― 小学生になると、姉妹で一緒に学校へ登校してくれますもんね。見送った後は、どんな心境ですか?

植本 毎日送り迎えをしているときは、めっちゃしんどかったし、この生活はいつ終わるんだろう……と思っていたけれど、いざなくなると、ぽっかり穴が開いたようにすごく寂しい。だから、迎えに行く必要はないのに、時間がある日は学童まで娘を迎えに行ったりしてます(笑)。

―― 多くの親が感じる、解放感と一種の寂しさですね。

植本 そう、小学校にはお姉ちゃんもいるから、学童から一緒に楽しそうに帰ってくるんですよ。私がいなくても平気なんだぁと思って、悲しい…寂しいです(笑)。その変化にびっくりしました。

―― 多くの共働き家庭は、小学生に上がると「小1の壁」という新たな壁に直面しますが、植本さんは環境の変化でお子さんが不安定になったり、放課後の子どもの居場所に困ったりということはありませんでしたか?

植本 かべ? 小学校に壁があるものなんですか?? (小1の壁の例について説明を聞いて)…私の場合は、上の子が小学校に上がったときも「壁」は感じず、私のほうが不安定でしたね(笑)。上の子が小学生になった環境の変化についていけず、メソメソしていました。

―― メソメソとは?

植本 環境の変化にすごく弱いんですよ、私がね。娘たちは、自分たちでできることがどんどん増えていっていますね。だからこそ、そろそろ子離れしなくちゃいけないなって、強く思うようになりました。

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