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日本は防犯後進国 海外の防犯事情から学ぶこと

子育て・教育

日本は防犯後進国 海外の防犯事情から学ぶこと

「人」ではなく「場所」を観察して、危険を予測するスキルを身につける

 子どもが犯罪被害に遭わないために親が知っておくべき知識について、地域の安全や犯罪予防を研究する小宮信夫立正大学教授が、実際の事件や事故をもとに検証しながら解説する連載。今回は、海外の防犯事例を参考にしつつ、日本でも取り組める先進的な防犯について小宮教授にお話を伺いました。

気をつけるべきは「不審者」? それとも?

 日本では、犯罪が起きると「なぜあの人が」という話になりがちですね。これは、犯罪が起きる理由を「人」の中に見つけ出そうとするからであって、犯罪学では「犯罪原因論」と呼んでいます。

 一方、犯罪を「場所」に注目して考える立場を「犯罪機会論」と呼んでいて、海外では犯罪を予防する上で最も重視されています。ところが日本では、犯罪機会論はあまり知られていません。

――その2つには、具体的にどういった違いがあるのでしょうか。

 認識するリスクの元が「人」か「場所」かという点で違うわけですから、防ぐ方法が異なってきます。例えば、日本ではよく「不審者に気をつけろ」と言いますが、海外では「不審者」という言葉は使われません。その理由は、動機の有無は見た目で判断できないから。たとえば、このポスターをご覧ください。

 これは、アメリカのニュージャージー州にある駅に貼られている防犯ポスターで、「この絵のなにが問題なのか」と問いかけています。なにが問題だと思いますか?

――そうですね…奥に座っている男性でしょうか。いかにも怪しく見えます。

 日本では、そうなりがちですよね。しかし、ここで考えるべきは、「どの人が不審者なのか」ではなく、「どの場所で犯罪が起こりそうか」ということ。誰も座っていない座席シートの下に、箱がありますよね。この持ち主は不明なので、「不審物」ということになります。もしかしたら、爆発物が放置されているのかもしれません。非常に危険な状況です。

 こういった景色に潜むリスクに、すぐに気づく目を育てていかなければならないのです。つまり、安全と危険は、「人」で判断すべきものではなく、「場所」で判断すべきものなのです。

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「怪しい人に気をつけて」では子どもは守れない!小宮信夫の防犯・安全教室

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