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共働きパパの挑戦 世界一の“スマート保育園”

【ワールドカップ世界一/ユニファ土岐泰之】(上)共働きパパの「家庭内コミュニケーション」の悩みから生まれた園児見守りロボット 

 今年3月に米サンフランシスコで初開催された世界一のベンチャー企業を決めるコンテスト「STARTUP WORLD CUP(スタートアップワールドカップ)2017」に日本代表として出場、「初代世界チャンピオン」となったユニファ株式会社。同社は、園内写真業務の全自動化アプリや世界初の園児見守りロボットMEEBO(みーぼ)を開発。さらに、最先端のAI技術を駆使した「スマート保育園」でベテラン保育士並みの安全・健康見守りシステムの開発を目指し、保育士不足問題を解決する一つのツールとして世界中の投資家から熱い視線を集めています。
 代表取締役社長の土岐泰之さんは、9歳の男の子と5歳の女の子を育てるDUALパパ。フルタイムで働く夫婦それぞれが、二児を育てながらどのようにお互いのキャリアを積み重ねていくのか。そして、夢実現に向かって一歩を踏み出した今、仕事と家事・育児を夫婦でどのように連携していけばいいのか――。自身も試行錯誤しながら、妻の仕事に合わせて転居や転職などキャリアチェンジしながら働き方を変えてきた土岐さんは、多くの共働き家庭が抱える悩みをサポートすべく、「家族のコミュニケーションが豊かになるメディアや、子育てプラットフォームを作りたい」と、ユニファを起業しました。

 第1回では、東京・名古屋と住まいや仕事を変えながら、夢に向かって挑戦を続ける土岐さんの起業への思いと葛藤の軌跡、そして、家族一つのチームとなって奮闘する子育てについて話を聞いていきます。

(上)共働きパパの挑戦 世界一の“スマート保育園”  ←今回はココ
(下)土岐泰之 共働き夫婦お互いの「人生のテーマ」を大事にしたい

ユニファ株式会社 代表取締役社長
土岐泰之

1980年12月28日生まれ。九州大学卒業後、住友商事にてIT企業を中心に投資・事業開発に従事。その後、ローランド・ベルガー、デロイト・トーマツを経て、2013年ユニファ株式会社を設立、代表取締役就任。2017年3月に米サンフランシスコで初開催された世界一のベンチャー企業を決めるコンテスト「スタートアップワールドカップ2017」で初代世界チャンピオンに。プライベートでは9歳と5歳の父。

共働き&遠距離婚からの転職 仕事を辞めて妻子が住む街へ

日経DUAL編集部(以下、――) 土岐さんは、一流商社や外資系経営コンサルタント会社などを経て、ユニファを起業されました。起業を志したきっかけは何だったのでしょう?

土岐泰之さん(以下、敬称略) もともと昔から起業をしたい、という夢は持っていました。会社員時代は様々な事業開発や投資に携わってきましたが、起業への漠然とした夢はありつつも、起業のテーマが自分の中でまだ明確に見つかっていなかったんです。それが私自身が結婚し、子どもを保育園に預けて、夫婦共にそれぞれのキャリアを築いていく中で、家族の幸せの中心にある“家族コミュニケーション”の大切さを切実に感じるようになっていきました。「もしも、自分が心から打ち込めることで起業をするなら何だろう」と考えたとき、「家族のためのメディアを作りたい」と思ったのがきっかけですね。

―― 自身のDUALライフの中で、家族のコミュニケーションの大切さを感じるような特別な出来事があったのですか?

土岐 大学卒業後は住友商事でベンチャー投資に関わる仕事をし、その後、東京のコンサルティング会社で働いていました。結婚後は、大学時代の同級生で、愛知県の企業で働いていた妻と遠距離結婚を続けていたんです。その後、第一子の育休中に妻は子どもを連れて上京してくれたので遠距離結婚は一時的に解消されたのですが、妻の育休復帰のタイミングで私が仕事を辞め、妻の職場近くに家族一緒に暮らすという選択をしました。

―― 夫が仕事を辞めて妻が働く土地へ転職するというのは、日本の共働き家庭ではまだ珍しいケースですよね。順風満帆だった一流企業でのやりがいや安定を手放すのには、相当な勇気や葛藤もあったことと思います。

土岐 もちろん、葛藤はすごくありましたよ。ただ当時、私はものすごく忙しくて、毎日のように深夜の時間帯に帰宅するという生活をしていました。妻も、自分の仕事に対してプライドと責任感を持って頑張っていました。育休期間中、慣れた土地を離れてたった一人で育児に悪戦苦闘してくれている妻を間近で見ながら、さらに上京して転職をしてほしいとは、私には言うことができなかったんです。

 どんなご夫婦にも言えることだと思いますが、こうした大きな決断を家族がするときは、当事者の夫婦二人にしか分からない部分があるかもしれません。妻とは本当に数えきれないほど話し合いを重ねました。そうする中で、私にとって何より大切なのは家族だと改めて感じました。妻とは19歳のときから付き合って結婚して、お互いにとって仕事が大切なのもよく分かっている。家族で一緒に暮らしたいけれど、現状、働く場所は離れている。家族のこと、夫婦のこと、子育てのこと、様々なことを考慮して、そのときベストだったのは、「私が愛知へ行く」という結論だったんです。

世界初の園児見守りロボットMEEBOを開発したユニファ代表取締役社長 土岐泰之さん
世界初の園児見守りロボットMEEBOを開発したユニファ代表取締役社長 土岐泰之さん

自らの葛藤体験から生まれたテーマを元に起業を決意

―― 実際に、愛知県へ行かれてからはどうでしたか?

土岐 名古屋のコンサル会社に4年ほど勤めました。でも、自分とは縁もゆかりもない土地に引っ越しをして、「これから先どうなるんだろう」「自分の人生のテーマは何だろう」とずっと考え続けていたんです。

―― 考え続けた先に、「家族のコミュニケーション」というテーマとの出合いへとつながるのですね。

土岐 自分自身が葛藤し、大切にしてきたことが「家族とのコミュニケーション」だからこそ、これなら使命感を持って頑張れると覚悟を決めて起業に至りました。共働きで子どもを育てる家庭に、もっと豊かなコミュニケーションを供給できるサービスは何だろう、と改めて考えたところ、保育園などの事業所とインターネット写真提供サービスを絡めた「るくみー」が生まれたんです。

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