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“英語で算数を考える子”を育てる小学校の教育

竹内薫さんインタビュー(中)トライリンガル小学校の1日ルポ 授業のこだわりは? 子どもたちの反応は?

横浜に誕生した、トライリンガル教育を行うYES International School。前回は同校の礎となる考え方について、学校長でサイエンス作家の竹内薫さんに伺いました。それでは、日本人の母語である国語、英語、プログラミングを、子どもたちはどんなふうに勉強しているのでしょうか。ランチタイムや休み時間の様子は? 実際に見学しながら、授業内容へのこだわりについてお聞きしました

【YESインターナショナルスクール学校長 竹内薫さんインタビュー】
(上)娘のためにトライリンガル教育のスクール創った理由 
(中)“英語で算数を考える子”を育てる小学校の教育←今回はココ!
(下)「バイリンガル教育は赤ちゃん時代から」の真偽 

「やだー!」と誰も言わない授業の濃度

 学校には8時からだんだんに子どもたちが登校してきます。そして1日のスタートは体を動かすことから。先生も生徒もみんな輪になって並び、ストレッチと体幹トレーニングをします。ほんとうは、授業の前に校庭でひと遊びできたら、というのが理想なのですが、現在、設備としてはビルの中の2つの教室のスペースなので、その中でできることをしています。

 朝、こうして体を動かすのは、脳を動かすことにつながるからでもあります。脳と体は切り離して考えがちですが、脳も体の一部であることは間違いありません。脳にも血が流れているから、運動しないと血液循環も栄養も豊富に届かなくなってしまいます。

体幹を鍛えたりストレッチをしたり、全員そろって行います。
体幹を鍛えたりストレッチをしたり、全員そろって行います。

 この後、授業を行っていきます。授業形態は学年ごとに分かれたり全員一緒に車座になったりと様々です。国語、英語、算数、プログラミング、サイエンス、社会、体育、書道やアートの時間もあり、子どもたちは授業ごとに、自分の机といすごと移動することもあります。授業の合間はトイレに行ったり水分補給したり、次の授業の準備をしたりすることで精いっぱい。休憩したり遊んだりする時間はほとんどありません。それでも誰も、「やだー」とか「だるい」なんて言いません。それは授業が楽しいからです。

 YESインターナショナルスクールの、ある日の時間割(1年生)

8:00~ 登校
8:30~ Workout(英語)
8:45~ 午前の授業
1時間目 English(英語)
2時間目 Programming(英語)
3時間目 図工(日本語)
4時間目 体育(英語)
12:00~ Lunch・お昼休み(英語)
13:20~ 午後の授業
5時間目 古典に親しむ:百人一首(日本語)
6時間目 書道(日本語)
14:40~ 帰りの会 宿題の確認など(英語)
14:50~ Snack Time(英語)
 下校
 トライリンガルキッズ(学童保育)スタート(英語)

※( )内の英語、日本語は活動を行う言語を示しています。

集中してノートに向かう姿も。
集中してノートに向かう姿も。

 子どもたちが勉強を飽きずに続けるためには、まず楽しくなければなりません。子どもは楽しいことは飽きませんが、楽しくなかったら、あっという間に逃げ出します。子どもを曳きつける楽しい授業内容のためには、ただお仕着せの教科書をそのまま読んでいるだけでは無理です。先生もクリエーティブな準備が必要となります。それは負担も大きくて、大変なことだと思います。

 もちろん、授業中、子どもたちの集中力が切れることはあるでしょう。でもそれは、子どもが怠けているのではなくて、やはり教える側の問題が大きいのだと思っています。ここでは、どういう態度で授業を聞くのかは先生ごとにルールが異なります。きちんと前を向いて静かにするのがルールの先生もいれば、しっかり授業に参加できていれば、多少隣の方を向いていてもかまわない、という先生もいます。それでもとにかく、今やるべき授業の内容に集中していることが大切なんです。

 自分自身を振り返っても、楽しかった学校ではしっかり学習ができました。生徒が授業中「内職」して他のことをしているのは、やっぱり教える側に問題があるのだと、私は思っています。先生が怠けている学校は、それはやっぱり楽しくないですよ。先生の工夫があるからこそ、授業は楽しく、「もうやだー」と逃げ出す子がいない学校になるのです。

 ただ、一人ひとりが飽きずに集中できる授業内容を作るには、大人数のクラスでは難しいでしょう。1クラス8~12人が、先生一人で目が届いて充実した授業内容になる理想的な人数と言われています。これは私だけの感覚ではなく、他の探求系の塾の先生と話をしたときにもこの人数が理想だという話になりました。子どもの個性を尊重して、どこを伸ばすのかを考えながら指導するには、少人数制であることは必要なんですね。そうでないと、アクティブラーニングはできません。

左上から プログラミング主任 マシュー・ジョン・ルッソ先生、英語主任 キャリー・ホクナニ・ゴメス先生、理科担当 サム・デイビッド・フェリックス先生。/左下、トライリンガルキッズ(学童)担当のソフィア・ペドラザ先生、補助教員の堀由美子先生
左上から プログラミング主任 マシュー・ジョン・ルッソ先生、英語主任 キャリー・ホクナニ・ゴメス先生、理科担当 サム・デイビッド・フェリックス先生。/左下、トライリンガルキッズ(学童)担当のソフィア・ペドラザ先生、補助教員の堀由美子先生

前の授業の片付け、次の授業の準備も積極的に。
前の授業の片付け、次の授業の準備も積極的に。

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YESインターナショナルスクール学校長 竹内薫さんインタビュー

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