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矢沢心 4度目の体外授精で妊娠反応が。しかし…

矢沢心さんと魔裟斗さん夫妻の4年に及ぶ不妊治療の記録。治療を通じて改めて知った「妊娠しづらい」という現実。若いから大丈夫って本当?

体外受精にステップアップ後、思わぬトラブルが

 転院先の病院でも、再び検査を行い、タイミング法からスタートしました。何度か続けた後、薬で卵胞を育ててからタイミングをとる方法にもトライ。それでもやはり授からなかったので、いよいよ体外受精にステップアップしました。

 ところが、予期しなかったことが起こりました。採卵がとにかくつらかったのです。

 体外受精にステップアップしたい。そう思ったとき、私は自分なりに色々調べました。治療にかかる金額のことや国からの助成金のこと、治療の成功率、体や心への負担……。そして主人にも相談し、夫婦で納得したうえで、体外受精することを決めました。

 もちろん、採卵のことも、雑誌に掲載されていた経験談などを読みました。でも、「痛くもなんともなかった」という経験談ばかりだったので、すっかりそのつもりになってしまっていたんです。同じ治療を受けても、人によってそれぞれ感じ方が違うということはよく分かっていたはずなのに、そのときはなぜか、「自分は痛いかもしれない」とは思わなかった。私は小心者なので、初めての採卵がとても怖かった。だから、「痛くない」と自分に言い聞かせていたのだと思います。

 体外受精で薬や注射で育てた卵胞を採取するときには、麻酔を使う病院と、使わない病院とがあり、この病院は麻酔を使う病院でした。その麻酔が、どうやら私には合わなかったようでした。

 最初は麻酔が効き過ぎて、舌が回らないほどになり、意識も遠のきそうになる。すると、先生から「寝ちゃダメです。寝ないでください」と言われます。寝ると出血多量になり、血が止まらなくなる可能性があるからです。

 私の場合、多嚢胞性卵巣症候群で卵胞がたくさんあるので、次回大きく育てたい卵胞に影響が出てしまうということで、毎回小さい卵胞まで一つひとつ針を差し、すべて採取していました。そのため時間がかかって、次第に麻酔が切れてしまうのです。そうなると、冷や汗が出るほどの痛みが襲ってきました。術中に痛みから逃れようと体が勝手に反応して起き上がろうとしてしまい、看護師さんに体を抑えられるほどでした。

 採卵後も、重い生理痛をさらに強くしたような痛みが続き、初回は車椅子でリカバリー用ベッドまで運ばれました。それからも毎回、リカバリー用ベッドで休んでいました。

 私と同じように採卵した人たちが、次々と名前を呼ばれて帰っていくのを聞きながら、「なぜ皆、立って歩けるんだろう」「なぜそんなにすぐに帰れるんだろう」と思っていました。それでも、私はただただタオルを握りしめて横になっているほかありませんでした。

 でも、そんな痛みがあっても、私は採卵できたということがうれしかった。自分の中では、「タイミング法」「人工授精」「体外受精」「顕微授精」は、それぞれ赤ちゃんを授かるまでのステップの一つと思っていて、「採卵できるところまで卵を育てることができた」というのは、また一つステップを上がれたということでした。その喜びのほうが、体のつらさよりも大きかったのです。

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矢沢心と魔裟斗の「諦めない不妊治療」

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