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小島慶子 セックスレスに、我々みな興味津々なのだ

子育て・教育

小島慶子 セックスレスに、我々みな興味津々なのだ

夫婦は、最もプライベートな欲望=性の話ができる関係でいたい。それがたとえ「したくない」でも

女性がスベスベ柔らかな感触に熱狂するとき

 私の仮説はこうだ。たぶん夫は、それまでの人生で幾人かの女性の柔らかで滑らかな体を触ったことがあるので、息子のぷよぷよのほっぺなんかにもさほど驚きはなかっただろう。でも私は自分の母親と、交際した男性と、そしてかなり平坦で骨がちな自分の体以外に、人の体に親密に触れたことがなかった。知っている限りでマックスぷよぷよしている人体は、おぼろげな記憶の中の母の乳房か、自分の内腿くらい。だから、息子が生後3カ月くらいになって絶賛ぷよぷよ期になった時に、熱狂した。

 赤ん坊は柔らかくて、甘い香りがする。毛穴の一つも見えないし、ムダ毛の一本もない。全てがキラキラしている。唾液だって清流のように澄んでいる。あくびはたまらなくいい匂い。ぎゅっと握った小さな拳の指を一本一本剥がしていくと中に入っているグレーの練り物みたいなゴミですら愛おしい。いくら見ても飽きない、細部まで新品の赤ん坊と比べたら、夫の身体は37年もののヴィンテージ。匂いも人間臭いし、ぷよぷよスベスベな場所なんてどこにもない。

赤ちゃん以外のものは、夫も霞んでみえる

 セックスに限らず、人は体を触れ合うとオキシトシンという幸せホルモンが出るのだという。だから育休中の私の脳は、赤ん坊を抱いて一日中オキシトシンにひたひた浸かっている状態だったはずだ。実際は産後うつ気味だったし、夜泣きはしんどかったし、私を寝かせてよ! と喚いたこともある。でも赤ん坊の感触は、それ自体が快楽だった。息子の身体の小さなくびれや丸みは、どれも完璧に見えた。魔法にかかったみたいに、赤ちゃん以外のものは全て霞んで見えたのだ。そう、夫も。これぞ、ぷよぷよ仮説。

 そんな激しい赤ちゃんバイアスがかかった妻の目に厳しく検分される夫は災難だが、男性は是非、産後はホルモンのバランスや育児の不安などから女性の性的欲求が低下することがあると知ってほしい。妻がセックスしたがらないのは僕のことが嫌いだからだ! と拗ねないでほしい。そして寂しくなったら、妻と我が子をそっと抱きしめよう。大事な存在の温もりを感じれば、幸せホルモンが湧いてくるはず。

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