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小島慶子 セックスレスに、我々みな興味津々なのだ

子育て・教育

小島慶子 セックスレスに、我々みな興味津々なのだ

夫婦は、最もプライベートな欲望=性の話ができる関係でいたい。それがたとえ「したくない」でも

 妻に問い詰められて、テヘッと笑いながら事実を告白したという。知人は精神のバランスを崩した。「彼は私とその女性の身体のどちらにも値段をつけたのだ。人はお金で買えないのに」と言って泣いた。夫が自分以外の女性と関係を持ったこと以上に、セックスをそういうものとして扱ったことに絶望したのだ。

 過酷な家庭で育ち、結婚してようやく幸せになれたと喜んでいた彼女が壊れるのを見るのは辛かった。自分の欲望と向き合えず、語る言葉を持たず、「男の欲望は理性ではどうにもならない。愛情とは別物」という卑怯な言い訳を使って、妻とコンドームなしの劣悪な環境で働く女性の尊厳をないがしろにした男の弱さが許せなかった。知人は2人の子どもの母親となったのちにPTSDを発症し、今も通院している。

息子たちに、性は命そのものであるのだと知ってほしい

 私は息子たちに、その話をした。君たちは、自分の欲望と格闘しなさい。語る言葉を持ちなさい。パートナーに尋ね、対話する勇気を持ちなさい。性は命そのものでもあるのだと知ってほしい。例え相手が売っても構わないと言っても、人の体をお金で買ってはならないのだと。

 セックスレスって本当はきっと、そういう根深いテーマをはらんでいるのだ。男女ともに、まずは自分の欲望を語る言葉を持つこと。生理的な仕組みを正しく知ること。自分が性的な存在であることを認めて、性がなんであるかを考えてみること。それをパートナーに話し、パートナーの欲望を知ろうとすること。NOは NOと言うこと。セックスの要求が食い違ったときに解決の方法を一緒に探ろうと努力すること。それはきっと夫婦の信頼関係を、単に性的な面だけではなく、深く豊かなものにしてくれるはずだ。そして、我が子に性をどのように語るべきかもわかるだろう。

 ぷよぷよ仮説から、思いがけず長い話になった。セックスは大事だ。することが大事なんじゃなくて、セックスってなんだろう? という問いを持つことが大事なのだと思う。ではみなさま、実りある夫婦の語らいを!

小島 慶子

小島 慶子

放送局に15年間勤務の後、現在はタレント、エッセイストとして活動中。中3と小6の息子がいる。新著『るるらいらい 日豪往復出稼ぎ日記』(講談社)ほか、小説『ホライズン』、『これからの家族の話をしよう~私の場合』(海竜社)、『不自由な男たち』(田中俊之氏との共著・祥伝社新書)、林真理子さんと女の欲望について語り尽くした爆笑対談本『女の七つの大罪』(KADOKAWA)、『その「グローバル教育」で大丈夫?』(ヤマザキマリさんとの共著、朝日新聞出版)、小説『わたしの神様』(幻冬舎)、『大黒柱マザー』(双葉社)、『解縛(げばく) ~しんどい親から自由になる』(新潮社)など。現在は家族の拠点をオーストラリアに移し、自身は仕事で日豪往復の日々。
オスカープロモーションTwitter @account_kkojimaaccount_kkojima
公式ブログ:http://ameblo.jp/keiko-kojima-official/

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