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小島慶子 男性たちよ、わが子を連れて街へ出よ!

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小島慶子 男性たちよ、わが子を連れて街へ出よ!

男性の育児に寛容な世間。だからこそ公の場で、男が子連れで奮闘してほしい。そして日本の風景を変えてほしい。

 ホームの待合室で電車を待っていたときのこと。向かいのベンチに、3歳ぐらいの男の子と男性が並んで座っていた。男性は密閉容器からりんごを出して、慣れた手つきで男の子に食べさせている。ニコニコしながらりんごを頬張り、盛んにお喋りする男の子。うう、可愛い。

男性の育児は「大目に見る」

 電車を見ようと男の子はパパによじ登り、ベンチの背もたれの上に立って、ガラスにぺたりと張り付いた。そのままトコトコと横に移動。おっと、足を滑らせて転がり落ちたら大変だ。でも、男性は微笑んで静観している。私ならきっと降りなさい、って言っちゃうだろうな。あれぐらいゆったりした気持ちで子育てしても良かったのかも…。

 その時、気がついた。もしもあれが父子連れではなく母子連れだったら、自分は果たして同じように考えただろうか。待合室の人の眼差しも違ったかもしれない。あんな危ないことさせて、とか、躾がなっていないとか…。あれは男性の子育てだからと、「大目に見た」のではないだろうか。

 振り返れば、幼い子どもと街に出るとなんでこんなに冷たくされるのかと思ったことが何度もあった。だけど夫がそうされているのは、見たことがない(今確認したところ、「されたことはないけど、子どもに配慮のないオヤジを俺が睨んだことはある」とのこと)。

 母親たちが何かとダメ出しされがちなのは、母性神話の根っこに女性蔑視があるからではないか。ベビーカーに舌打ちをする男性も、子どもの声に眉をひそめる女性も、相手が男性だったら、果たして同じことをするだろうか。

男親に直接言わず、なぜ母親に言う?

 現に、こんなことがあった。次男が幼かった頃、車道の端っこでしゃがみこんで駄々をこね、地蔵のように動かなくなった。危ないので夫が抱え上げて横道に引き込み、説得を試みた。それを見ていた通りすがりの年配女性が、私のところに来て「虐待っ?」と眉を吊り上げたのだ。自分は幼稚園の教諭をしていた、この頃の親はなっていない…云々。出会い頭に「虐待っ?」にも驚きだが、なぜ夫ではなく、私に言ったのだろう。そんなにご立派な先生なら、是非とも直接当人に教育的指導をしてほしいものだ。

 男に言うのは怖い。でも女親なら、反論もできまいと踏んだのだろう(もちろん反論したけど)。子育ての責任は、すべて母親にあるというわけだ。

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