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これが「待機児童」の実態だ(上)

早めに保育園探しを始めれば、無事に入園できるだろうと思っていた

 そして、認可保育園4件、認証保育園4件、認可外保育園3件、合計11件の保育園に足を運んで見学。『働く女性の妊娠と子育て~』といった本を片手に、保育園のチェックポイントなども学んだが、実際に気になったのは、園の広さ、遊具の有無・種類、庭の有無、先生の雰囲気。認可外や認証を見て、昼食や1クラスの人数もチェック。やはり認可保育園の、充実した庭や、年齢ごとに分かれた部屋での保育は素晴らしいと感じたり、アパートの1室のような認可外を見て、「こんな場所で子どもが安全に楽しく遊べるのだろうか……?」と首をかしげたり。認証では、ギリギリのスペースに2学年分の園児を詰め込んでいるような園から、認可より恵まれているのではと思えるほどきれいに管理された園舎に遊具の多い庭が整備された園まであり、いったい何が認証で何が認可なんだか、私の中の線引きが混乱するほどだった。

 見学行脚中、心の中ではいつも「どこかの認可には入れるよね」という望みがあり、認証や認可外にも申し込みをしたものの「認可保育園にも申し込む」という欄には、堂々と丸を付けていた。マニュアル本にあったように「保育園を選ぶ」気持ちで臨んでいたこと自体が、今思えばあり得ないことだった。でも、当時の私はまだそれに気付かず、生後3~4カ月の息子を連れて見学に行くだけで精いっぱいの日々。甘いと言えば甘いのかもしれないが、見学に足を運び、保育園のサイトを見て探す以外の知恵が浮かばなかった。

 最終的に認証や認可外保育園8件に名前を登録し、早ければ12月から入園ということでウエイティングリストに入れてもらい、保活も一段落。周囲のママ友は専業主婦が多く、少し孤独な保活期間を終えた。

保育園の枠が一番大きいのは、4月入園の0歳児クラス。早生まれの子どもは不利になる。保育園に入れやすいよう、5~7月出産を狙って妊娠する人もいるという。妊娠時期まで保育園のためにコントロールしなくてはいけないのか。
保育園の枠が一番大きいのは、4月入園の0歳児クラス。早生まれの子どもは不利になる。保育園に入れやすいよう、5~7月出産を狙って妊娠する人もいるという。妊娠時期まで保育園のためにコントロールしなくてはいけないのか。

 そして、11月。上司から「一度会って、復帰について話そう」という連絡が入った。産休から約1年経ち、そろそろ仕事を始めたいと思い始めていた頃でもあった。カフェで会った上司には「1月復帰を目指しています。もし12月から保育園に入れたら、12月から復帰します。最初は認可外かもしれませんが、たくさん申し込んでいるので1つくらいには入れるはずです」と勢いよく宣言し、人手不足の現場を心配していた上司にも安心して帰ってもらえた。

 しかし、12月になってもどの園からも連絡なく、認可の申し込みを出していた区役所から届いたのは「不許可通知」のみ。認可保育園5カ所に加え、2歳までの保育室の申し込みもしていたのに、1件も入園が認められず。申し込んでいた認証園や認可外園にも改めて電話したものの、どこも「空きがありません」の一言。さらに3件ほど申し込みをしたものの、もちろん空きはなく、「空いたらとにかく電話をください」とだけ伝えて待つことしかできなかった。

 上司にも「とにかく保育園に入れません。4月にはどこかには入れると思うのですが」と謝罪の電話を入れた。「子どもと過ごせる時間が長くなって良かったね」というママ友の声もむなしく、不安が募るばかりだった。(第2話に続く)

(撮影/鈴木愛子)

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内藤 智子

内藤 智子

メディア関係会社勤務。30代一児の母。「深夜残業バリバリ働きアリ派」から、出産を機に「親バカ街道ゆったり派」にシフトチェンジ。都内の激戦区で保育園待機児童問題を経験し、子どもは認可外→認可外→認可園へと1年で3園を転々とした。内藤智子はペンネーム。

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