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タイ児童買春でエイズに 12歳で売られ亡くなった女の子

子育て・教育

タイ児童買春でエイズに 12歳で売られ亡くなった女の子

渋澤健/「遠い途上国の話」ではない。児童買春を根絶するために立ち向かう女性から学ぶ

「ポピンズ中村紀子社長『ありのままで~なんて嘘よ』」に引き続き、長期ファンドを運用するコモンズ投信(東京・千代田区)会長の渋澤健さんの新連載「渋澤 健 チェンジメーカー7つの感情」、第3回です。「日本資本主義の父」と言われる渋澤栄一氏の孫の孫でもあり、長期的な視野で世界を洞察する傍ら、共働きで3児(14歳、13歳、11歳の男児)の父親でもある渋澤さん。この連載で取り上げるのは、儒教の経書「礼記(らいき)」にある「七情(しちじょう)」。七情とは、「喜・怒・哀・楽・愛・悪(お)・欲」という7つの感情を指します。毎回、ゲストの方にご登場いただき、共働き夫婦が生活や仕事のなかで巡り合う七情について深く考察していきます。今回のゲストは認定NPO法人「かものはしプロジェクト」共同代表の村田早耶香さん。取り上げる感情は「哀」です。

村田早耶香
認定NPO法人かものはしプロジェクト 共同代表

1981年10月24日生まれ、東京都出身。大学在学中の2001年、東南アジアNGO訪問時に「売られる子どもの問題」の深刻さを知り、2002年に仲間とともに、「かものはしプロジェクト」を設立。10歳未満の子どもまでもが被害にあっていたカンボジアで問題を無くすため、職業訓練と雇用により家庭の収入を向上させる雑貨工房を運営。現在はインドにも活動を広げている。2006年、日経ウーマン「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2006」リーダーシップ部門を史上最年少で受賞。2007年、国際青年会議所主催、過去にケネディやキッシンジャーが受賞したTOYP(傑出した若者賞)受賞。2014年第5回「コモンズSEEDCap(社会起業家応援プログラム)」受賞。コモンズ投信の寄付プログラム「コモンズSEEDCap」の支援を受けている。

唯一無二の存在を失ったとたん、私達は無力感に襲われ、哀しみの淵に立つ

 哀しみ。それは、「何か大切なものが失われた」と私達が感じたときに込み上がってくる感情です。

 人にとって「大切なもの」とは色々とありますが、その共通点とは「可能性」かもしれません。これまでの思い出は失われるものではありません。しかし、男女の関係であろうが、親子の関係であろうが、これからの可能性が閉ざされ、二度と取り戻すことができないものを失ったとたん、私達は無力感に襲われ、哀しみの淵に立たされます。

 そして、人間は感情が移る生き物です。他人の哀しみは自分の哀しみにもなります。その哀しみという魔物に心身が捕らわれると、「動けなくなる」というのが普通の人の反応です。よって、「哀しい状態は他人事」だと心のバリアーを張る、あるいは見えないふりをする人々が世の中では多いのです。

 私だって、そうです。哀しい状況に出合ってしまったときは、そこを素通りして、なるべく早く意識から消そうとする自分がいることは否定できません。

 しかし、逆に哀しみを直視し、これからの可能性のために自ら動く人達もいます。今回のお話相手でもある認定NPO法人「かものはしプロジェクト」共同代表の村田早耶香さんは、そのお一人です。

 東京、丸の内の中核にあるビルのお洒落なカフェ。そこの窓際のテーブルで村田さんにお話をお伺いしました。落ち着いた、しっかりとした口調で話す村田さんが見てきた世界。それは、カフェの大きな窓から見える近代的なオフィスビルに囲まれる街並みとは程遠いところでした。

 村田さんは大学2年生のときに受けた授業で衝撃を受けます。タイで家族の生活のために売春宿に売られ、エイズにかかって亡くなった、12歳の女の子の哀しい話を聞いたのです。「自分の自由」、そして「人生のすべてを奪われた」少女の対価として家族が手にしたのは、たったの1万円程度。

特定NPO法人「かものはしプロジェクト」共同代表、村田早耶香さん
特定NPO法人「かものはしプロジェクト」共同代表、村田早耶香さん

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