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PTAは加入率2割でも機能する

子育て・教育

PTAは加入率2割でも機能する

川端裕人 PTA連載/ストップ自動入会PTA!(下)「問題が生まれたら、立ち止まればいい」

法律上は任意参加でありながら、全員参加が暗黙の了解になっていることも多いPTA。「子どもが小学校に入学した日からPTA会員になった僕は、なんか変だぞと感じたり、いやいやなかなかPTAっていいとこあるじゃんなどと思ったりしつつ、2007年からはいわゆる本部役員まで経験してしまった。その中で、感じ、調べ、議論してきたことを一冊の本にまとめた」。こう話す『PTA再活用論―悩ましき現実を超えて』(中公新書ラクレ)著者の作家・川端裕人さんが、各地のPTA活動や組織活動をリポートします。

今回の舞台は沖縄県。完全に任意制PTAを取り入れ、活動内容を公開している「那覇市立識名(しきな)小学校PTA」。前回記事「『保護者会での役員決め』をやめたPTA会長に聞く」「PTAが無くなったら、学校は本当に困るのか?」に引き続き、「普通のPTA活動」からどんなふうに改革を実現したのか、識名小学校PTA会長の福里浩明さんを直撃インタビューします。

「読み聞かせ」や「ベルマーク集め」…、一度廃止しても希望者が集まれば復活

左から、『PTA再活用論―悩ましき現実を超えて』著者の川端裕人さん、識名小学校PTA会長の福里浩明さん
左から、『PTA再活用論―悩ましき現実を超えて』著者の川端裕人さん、識名小学校PTA会長の福里浩明さん

川端 現状の活動を整理しますと、識名小学校に子どもを入学させて、会費無しのPTAに入会届けを出すと「PTAミーティング」に参加して、意見交換する機会が得られる。ニュースレターも届く。そして、別に入会しなくても、読み聞かせや、ベルマーク集めといったボランティア活動に参加することはできる。また、お父さん達には「親父の会」がある、ということでしょうか? PTA活動の他に、保護者が参加できる仕組みが色々あるわけですね。

福里さん(以下、敬称略) 識名小学校にはPTAの他に、保護者が関わっている活動として、「絵本の読み聞かせボランティア」「ベルマーク集め隊」「スクールゾーン委員会」「親父の会」などがあります。

―― 読み聞かせやベルマークのボランティアは、元はPTAの委員会だったものが、ただのボランティア、といいますか、PTAとは独立したものになったと聞いています。 

福里 これまでの識名小PTAでは、「絵本の読み聞かせ」は文化家庭教育部が、「ベルマーク集め隊」は「ベルマーク委員会」が担当していました。平成25(2013)年度に全てのPTA活動を停止しましたが、「絵本の読み聞かせ」は、私自身もコアなメンバーとして参加していて継続したい活動でした。

 私の呼びかけ対して、これまでと同様に保護者も集まり、そのまま継続しています。また、平成26(2014)年度に正式に“任意入会”がスタートした年には、ベルマーク集めを再開したいという3人の保護者有志がベルマーク収集活動を再開し、これまで貯まっていたポイントを使って「給食エプロン」購入しました。保護者の「やりたい」という自発的な思いで、一旦は止めた活動が再開した例です。

 「スクールゾーン委員会」は、元は那覇市からの別予算で運営していた別組織でした。活動の利便性からPTAの専門部としていましたが、PTAの活動停止にともない元の独立した組織に戻って活動を継続しています。

―― 「読み聞かせ」ですとか、「ベルマーク」ですとか、PTAの委員会ではなくなると、どんなふうに運営するのですか?

福里 「読み聞かせ」も「ベルマーク」も、組織的な活動ではありません。部長や委員長などもいません。やりたい人が集まって活動しているという状況です。「読み聞かせ」は、各学年に自主的に手を挙げてくれた「お世話係」の保護者がいて、当番表の作成などを引き受けています。「ベルマーク」は、今は3人での活動ですが、逆に3人の方が時間調整もし易く、お互い連絡を取り合って、できるときに集まって楽に活動しているようです。

―― 希望者3人によるベルマーク活動! いいですね! 保護者の自主性による活動ですから、保護者が発案・企画して、学校が協力・支援する、みたいなイメージですね。そして、前にも出ましたが、校庭の草刈りなどの美化活動のような、学校への直接的な協力は、学校がお知らせを発行して全保護者から参加を募る。そんなふうに移行したわけですね。

福里 そうですね。また、識名小の話ではないのですが、私の中2の次男が通う識小の隣の石田中学校には、「2学年ゆんたく会」という会があります。「ゆんたく」とは、沖縄の方言で「おしゃべり」という意味です。

 この会は、2学年の先生方が「保護者の方にもっと学校での子ども達の様子や学校の様子を知ってもらいたい」との趣旨で開催されました。中学生にもなると、子ども達が学校の様子を家で語ることも少なくなりますから、保護者にとっては貴重な時間となったのでしょう。1回やってみたら予想以上に盛り上がり、毎月1回の開催になりました。

 石田中PTAには月一回の「PTA役員定例会」がありますが、「2学年ゆんたく会」に参加する保護者はPTA役員会とは違った顔触れも集まります。年度初めに学校が主催する「保護者会」(学級懇談会)より、カジュアルな雰囲気の「保護者会」といった感じです。

 私はこの会が気に入っていて、先生方には次年度も継続して開催してほしいと思います。このことを「ミーティング」で識名小の保護者に話したら、2年生の保護者の方が担任と相談して、放課後にちょっとした懇談会として、「学級ゆんたく会」を開催した例もあります。

―― なんかサークルみたいで良いですね。一般的に言って、他のPTA活動には参加しない保護者がこうした楽しげな場に顔を出すと、「こういうところだけには来るんですね」的な嫌みを言われて、参加しにくくなってしまうこともあると聞きます。そんなエピソードが冗談に聞こえるくらい、識名小PTAの活動には自由な雰囲気を感じます。あまりにもあっけなく、すんなり移行できている。正直、驚きました。

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川端裕人の「PTAは変われるか!?」

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