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重要なお知らせ

DUAL親子は「疲れ」を自覚しづらくなっている

DUAL世代の親子の疲れ対策 手帳の片隅でできる「からだ電池・こころ電池」チェック

共働き世代がやりがちな「仕事へのしがみつき」

 お酒だけではありません。共働きの子育て世代がやってしまいがちなのが「仕事へのしがみつき」です。

 仕事が積み重なってへとへとに疲れているけれど、家に帰れば子どもとしっかり向き合えていない罪悪感にさいなまれる。夫婦間にも険悪な空気が流れている……そんなモヤモヤを、仕事をしている間は忘れられる。だから、仕事に没頭することがお酒と同様に「忘れる効果」をもたらしてくれるのです。

 仕事に没頭し、はかどれば「職場で認められる」「集中している間はストレスから一瞬逃れられる」というメリットが得られます。しかし、仕事は相変わらず大変だから、疲労はたまるいっぽう。小さいことにイライラし、「もっとがんばらなければ」と自分を追い込んで仕事に没頭し、さらに疲労がたまる、という悪循環を繰り返してしまいます。

「からだ電池・こころ電池」で疲れた自分を認める

 最近、なんだかいろんなことが回らない……と悩んでいるあなた、まずは、あなたの今の疲れを客観的な尺度で表してみましょう。

 人間は不思議なもので、先ほどお話しした「しがみつき」に関しても、人から「あなたは仕事にしがみついている。やめなさい」と言われても決して修正したいとは思えません。その人は仕事にしがみつくことでなんとか今日も持ちこたえている、だからしがみつきをやめてしまうと、もう自分はダメになってしまうような気がして怖いのです。

 でも、誰かに言われるのではなく自分で気づくと、少しだけ自分の行動を変えられるものです。ぎゅっとしがみついている5本の指を1本ずつほどいていくような気持ちで、今、いっぱいいっぱいに抱えているtodoリストを減らしていく作業を始められるのです。

 自分の疲れに気づく手段として役立つのが「からだ電池・こころ電池」という方法です。その日の“からだ電池”と“こころ電池”の充電率を数値で表現してみるだけ。通勤電車のなかで手帳のすみっこに書き留めるだけですから、ほんの30秒ほどでできるやり方です。

【からだ電池・こころ電池のやり方】

①自分のからだ電池、こころ電池の充電率を確認する
からだ電池とは、体の調子。こころ電池とは、心の状態。充電率が満タンなら100%。今日の自分はどうかな?と振り返って数値化してみましょう。

②自分の数値の理由を考えてみる
数値を書き込んでから、理由も書いてみましょう。

例)からだ40…睡眠不足が続いていて、だるい
こころ30…今日提出の企画書がまだまとまっていなくて不安

 こうやって自分の疲れを客観的に自覚するだけでも、「最近、イライラしてしまっていたのは疲れていたからかもな」と、自分の疲れを認めることができます。また、前日夜に“寝落ち”して後悔していても、よく眠ったことでからだ電池が90になっていることに自分で気づき「やっぱり睡眠って大事だな!」と理解できるかもしれません。疲れてしまったのは決してあなたが弱いからとか、がんばりが足りないからではなく、「それほど今の生活が大変だから」なのです。

to doは5つのうち、3つできたらヨシとする

 よく、「今日はtodoが5つある。優先順位の高い順にさっさと片付けなきゃ」というふうにリストを眺めるだけで決める人がいます。しかし、これでは不十分。なぜなら、「やる自分」について考えていないからです。

 元気なときなら問題なく5つやれるはず。しかし、ここ数日疲れがたまっていて、体も心も充電率が低い状態であればもっとやるべきことを減らす必要があるかもしれない。一日の最初に自分の疲労度の振り返りをしておけば、「それでもやらなければいけないのは何か」「手を抜けるとすれば、何か」というふうに見渡して、今日は3つだけにすることを選択できます。やみくもに5つ全部をこなそうとして「やるべきことをクリアできなかったダメな私」と自分を責めるパターンに陥ることも避けられます。

 「体は100、心も100です!」と元気に答える人は、かえって心配です。周囲から見て「あなた、へとへとでしょう?」という人がこのような数値を言い続けている場合、疲労が深刻すぎて知覚がまひし、不調を感じられなくなっている可能性があります。うつ症状の一歩手前。とにかく休むことが必要です。

 あなたが今、がんばっている子育ては長期戦です。子ども達の大好きなパパやママであるあなたが心も体も健康にやっていくためには、あなた自身のエネルギーが枯渇してしまわないよう、ご自身の疲れをちゃんと認めてあげてくださいね。

(構成・執筆・イラスト/柳本 操)

下園壮太

下園壮太

メンタルレスキュー・シニアインストラクター、心理カウンセラー
1959年、鹿児島県生まれ。防衛大学校卒業後、陸上自衛隊入隊。筑波大学で心理学を学ぶ。1999年より、陸上自衛隊初の心理幹部として、多くのカウンセリング経験を積む。陸上自衛隊衛生学校メンタルヘルス教官として、衛生科隊員にメンタルヘルス、自殺防止、カウンセリングなどを教育する。2015年退官。惨事ストレスに対応するNPOメンタルレスキュー協会理事長として、講義、チーム支援などを継続して担う。講演や執筆、カウンセリング、メンタルトレーニングも行う。近著に『学校では絶対に教えてくれない 自分のこころのトリセツ』(日経BP社)、『母が重い!しんどい「母と娘の関係」を楽にするヒント』(家の光協会)などがある。

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