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「ひきこもり」になる子どもの親には共通点がある

上大岡トメさん×NPO法人育て上げネット×DUAL編集長座談会【前編】/無意識を意識化するだけで、結果は違う

「知らないこと」が不安を大きくする

工藤 この仕事をしていてよかったなと思うのは、基本的に子どもに何があっても、どこの誰にどう相談すればいいかが分かることです。

 よりよい人生を送れるようになる方法は分からないんですけど、子どもに何かが起きたときのキャッチの仕方と、誰に託したり、お願いしたりしたらいいかは明確に分かっているんです。 

トメ 不安がないんですね。

工藤 そうですね。子どもが転んだときにどう立ち上げればいいかということに対する不安は全くありません。でも、こうやっていったらリスクを避けてうまく導ける、という一般解は分かりません。

トメ 私は「子どもが転んだらどうしよう」という不安ばかりありました。だから「やっぱり転ばないほうがいいんじゃないか」と考えてしまっていました。

工藤 お子さんが病気になったら、病院に連れていくじゃないですか。予防はするにしても、子どもは病気になったり、風邪を引いたりしますよね。ケガを含めて100%健康でいさせることはできません。それと同じことです。

 さらに僕は「自立できない人はいない」とも思っています。幼いころから一緒に暮らしてきた人達は、ちゃんと自らの生き方を見つけてうちを出ていきましたからね。そういうのを見ていますから。

トメ そこがすごいですよね。

工藤 「つまずいても大丈夫なんだ」ということを見せてくれる大人が周りにいること、何かあれば相談できる支援者や団体を知っていること、公的な制度などについて少し知識があること。そんなことだけでも、ずいぶん楽になると思います。

トメ 結局、不安というのは「分からないことへの不安」なんですよね。

日経DUAL編集長・羽生祥子
日経DUAL編集長・羽生祥子

羽生 「この崖から落ちたらどうなるの?」ということが分からないから不安なんですよね。

蟇田 自分が知らないというだけで、「目の前に、何か恐ろしい世界が待ち受けている」と思い込んでしまう人が多いですよね。

羽生 こんなに社会人デビューが難しくなったのはいつごろからの話なのでしょうね?

工藤 最初に社会に出ることの難しさがクローズアップされたのは1990年代。フリーターの存在に光が当たるようになって、「非正規雇用の人達は今後どうなるんだろう」という問題が提起されました。今でもつまずきやすいのは、やはり就職や仕事に関係する事柄ですよね。

羽生 トメさんは、お子さんに働くことについての教育をしたことはありますか?

トメ あります。私の場合は、イラストレーターという家でする仕事じゃないですか。常に家でマンガを描いているので息子は小さいころずっと、「お母さんは絵を描いて遊んでいる」と思っていたんです。「子どもには、これが仕事だって分からないんだ」と気づいてからは、色々な大人に会わせるようにしてきました。「世の中には色々な仕事があって、働くかたちも色々あるんだよ」と意識して教えてきたつもりです。

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