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水辺の事故で生き抜く「浮いて待て」をプールで実践

救助隊が来るまでの8分30秒間、口と鼻を水面より上に出して救助を待つ必要がある

 水の事故に遭ったとき、命を守るために必要なのは、泳ぐことではなく、浮きながら呼吸を確保しつつ救助を待つこと。昨年の記事「溺れた時「助けて」と叫んではダメ。ではどうすれば?」で紹介した「浮いて待て」を体得すれば、水難事故で命を失う危険性を減らすことができます。そこで、全国の小学生を対象にした溺水予防教育「背浮きによる浮いて待て技能」の普及を推進している一般社団法人水難学会・理事であり、東京海洋大学の准教授である田村祐司さんに、着衣のまま背浮きする方法について教えてもらいました。今回は、その様子をリポートします。

水難事故に遭っても「浮いて待て」で救助を待つ

 毎年、水難事故が起きています。警視庁の発表(https://www.npa.go.jp/safetylife/chiiki/h27_suinan.pdf)によると、2015 年における水難事故の発生件数は1450 件で、水難者は1635 人、死者・行方不明者は791人。ウオータースポーツ中に事故に巻き込まれるケースのみならず、通行中に水難事故に遭った死者・行方不明者も少なくありません。

 水難学会の田村さんによると「泳ぎに慣れている人でも着衣のまま泳ぐのは難しく、服を脱ごうとしても、その間に体力を奪われ、おぼれてしまう」とのこと。その結果、救助隊が現場に到着する前に力尽きて水中に沈んでしまうケースが多いとのこと。

 「だからこそ、水の事故に遭ったときに重要なのは、少しでも長く浮いて呼吸を確保すること。119番に救助を要請してから救助隊が現場に到着するまでの平均時間は、おおよそ8分30秒。へき地だと30分近くかかることもある。その間、水の中に沈まずに口と鼻を水面より上に出して救助を待つ必要がある」と、田村さんは言います。

一般社団法人水難学会・理事で東京海洋大学の准教授である田村祐司さん
一般社団法人水難学会・理事で東京海洋大学の准教授である田村祐司さん

 浮き続けるためには、ライフジャケットが有効です。

 「カヤック、シュノーケリング、セーリングヨット、魚釣りといったウオータースポーツはもちろん、海水浴や潮干狩りなど水遊びを楽しむ際も、思わぬ水の事故に遭う可能性は十分にあります。水辺では、必ずライフジャケットを着用するようにしましょう」と田村さんはアドバイスします。

 とはいえ、ライフジャケットを着用していない状況で水難事故に遭うこともあります。そのときは、背浮き姿勢をとり「陸上の救助者から投げ渡された浮力体につかまって口と鼻を水面より上に出して呼吸を確保し、救助を待つのが大切。ペットボトルやサッカーボール、ランドセル、クーラーボックス、発砲スチロール箱など身の回りにあるものが浮力体として利用できる。もし水の事故に遭ったときは、慌てず周りを確認し、浮力体になるものがないかどうかを探してほしい」(田村さん)。

これは、ペットボトル二つを両脇に挟んで足を曲げて丸まる「ヘルプ姿勢(Heat Escape Lessening Posture)」。この姿勢をとることによって、呼吸も確保でき脇や膝から体温が奪われにくくなります
これは、ペットボトル二つを両脇に挟んで足を曲げて丸まる「ヘルプ姿勢(Heat Escape Lessening Posture)」。この姿勢をとることによって、呼吸も確保でき脇や膝から体温が奪われにくくなります

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