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「普通に働きたい」女性の真意と男性管理職の役割

仕事

「普通に働きたい」女性の真意と男性管理職の役割

治部れんげ/ジェンダーに関係ない「ああなりたい」をすんなり受け入れられるか。男性管理職の責任は重い

理屈抜きの「ああなりたい」をすんなり受け入れてくれた会社に入社した

 思い出すのは、大学生のころのことです。「雑誌が好き」という単純な理由で参加したある出版社の会社説明会で、ニューヨーク帰りの記者の話を聞いて「あ、いいな」と思いました。「こういうふうになれたらいいな」と。

 実を言うと、その人は男性でした。

 今思えば「輝く」とか「活躍」という言葉より「自然に楽しく」働く姿が魅力的に映りました。確固たるキャリアプランを持たない大学生だった私の「女性は事務職です」と言われることもあった時代の就職活動です。「同性のロールモデル探し」などしている余裕はなく、ただ、目の前にくる数少ないチャンスを直感で判断して取ったり見送ったりしていただけでした。それは、小学生の息子が「シン・ゴジラ」を見て、男性の政治家や官僚ではなく、ゴジラとカヨコに理屈抜きに共感したのと同じような理屈抜きの世界でした。

 一つ感謝しているのは、入社面接で「私もああいうふうになりたい、と思いました」と素直に話したとき、ずらっと並んだ社長以下、役員達が、ふむふむ、とうなずいたことです。誰も「きみは女性だから、男性記者のようにはなれないよ」とは、言わなかったのです。社長・役員面接にはおじさんとおじいさんしかおらず、女性は人事担当者一人でした。当然ですが、結婚だの出産だのした後にどうするつもりかも、尋ねられませんでした。

 今になって言語化できるのは、彼らのジェンダー中立的な態度は、当時としては結構貴重なものだった、ということです。結局、その会社で16年も働くことになりました。第一子、第二子ができたとき、妊娠を伝えると、上司は決まって「おめでとう」と言った後、「いつから休んで、いつ戻ってくるの?」と尋ねました。男性上司が多く、当時はイクボスという言葉はありませんでした。こういう人達に囲まれていなかったら、きっと私は「普通に」出産退職していただろう、と思うのです。

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