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核家族はありえない、大家族主義のマニラ

子育て・教育

核家族はありえない、大家族主義のマニラ

「手の空いているものがその時点の子育てを担う」が当たり前、一族で子育て。ひとつの舟という意味の自治会「バランガイ」も

お国柄がにじみ出る世界の子育て事情を、各地に住むライターのリレーでリポートしていくこの連載。今回はフィリピン・マニラの子育て事情について、岡田孝明さんに伝えてもらいます。

人口ピラミッドがきれいな三角形を描くほど、フィリピンには子どもの数は多い

 日本では1970年代より始まった少子化傾向が現在まで続き、人口の年代別分布を表す「人口ピラミッド」は、見た目が「壺」のような形をしているが、ここフィリピンでは常に子どもの数が減ることはなく、その人口ピラミッドもきれいな三角形を描いている(※1)。統計的に見てもフィリピン女性一人あたりの生涯に出産する子どもの数は3.1人(※2)で、実際には一家族で兄弟・姉妹が5人以上というのも珍しいことではない。

 私事で大変恐縮だが、フィリピン・サマール島出身の筆者の妻の実家などは、妻の父親が一度配偶者と死別して再婚したという事情はあるものの、末っ子である彼女の上にはなんと18人の兄と姉がいる。私の義父と2人の配偶者との間に、それぞれに11人と8人の子宝が恵まれたわけである。これは田舎の少々極端な例としても、近代化された高層ビルがそびえる首都マニラでも、数多くの子どもを持ちたいという願望は基本的に昔から変わらずフィリピン人の心に流れているように見える。

近代化が進み共働きが当たり前のマニラには保育所が存在しない

 フィリピンは開発途上国の範疇にあり、国民一人あたりの収入も 年間43万8000円程度(WHO調べ、2012年 ※3)。統計対象166国中107位でインドネシアやフィジーと同程度であり、大家族を一人の収入で養うことは難しく、夫婦共働きはマニラの中流の家庭といえども避けられない。また、フィリピンの全人口にしめる海外出稼ぎの割合は1割を超え、1000万人余りの人々が海外で働くという現状もあって(※4)、それは子育て期間の親とて例外ではない。しかし驚くことに、それでもマニラには正式な意味での保育所はほとんど存在しない(あるのは主に外国人向けの施設)。それでは一日中忙しい両親はどうやって、その数多い子どもたちの子育てを行っているのだろうか?

女子大生のジェッサさんは、ヤマネ家近くの大学に進学した関係で、ヤマネ家に住み込みで手伝うようになった。学費は英雄さんが出してあげている。
女子大生のジェッサさんは、ヤマネ家近くの大学に進学した関係で、ヤマネ家に住み込みで手伝うようになった。学費は英雄さんが出してあげている。

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