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周囲の気持ちをくみ取る「女の子脳」の子には注意

子育て・教育

周囲の気持ちをくみ取る「女の子脳」の子には注意

親野智可等/「この習い事をやりたい」という発言の裏側に、親への“気遣い”が潜んでいる場合がある

先日、日経BP社で小学校低学年のお子さんをお持ちの親を対象に、親野智可等さんのセミナーを実施しました。親野さんは、公立小学校で23年間、教師を務めた経験からメルマガ「『親力』で決まる子供の将来」を発行する教育評論家です。学習面を中心に小学校生活を充実したものにするために、親は子どもとどう接していくのがいいのかという、親子のコミュニケーションについてお話をお聞きしました。その内容をお伝えする本連載。最終回のテーマは「生きる力を強くするために大事なこと」です。

親の気持ちが分かる「女の子脳タイプ」は注意が必要

親野智可等さん
親野智可等さん

 前回まで、子どもが好きなことを親が応援することのメリットについてお話をしてきました。子どもの“好き”を応援していると、もう一つ、よいことがあります。それは「自分がやりたいことを自分で見つけて、どんどんやっていく力が伸びること」です。これを「自己実現力」と言い換えてもいいと思いますが、子どもの真の自立に向けて役立つ力が育つのです。

 前回、子どものうつ病が増えている理由は、本当にやりたいことをやれていないからだといった話をしました。それでは、自己実現力はいつまで経っても育ちません。自分が何をやりたいのか、本人にも分からないのです。特に、皆さんに気を付けていただきたいのは、「女の子脳」の子どもです。

 この「女の子脳」の子どもというのは周囲に敏感で、親の気持ちをよく理解します。そのため「ママは私にこの習い事をやってほしいんだな」ということを察知してしまうのです。

 例えば、母親がピアノを習わせたいと思っていたのであれば、それを察知して「ママ、ピアノがやりたい!」と、自ら言い出すのです。もちろん、本当はやりたいと思っていないのですが、ママがやらせたがっているのが分かるから、そう言うのです。

 自分から言ってくれたものだから、母親は大喜びです。「本当にやりたいの?」と、すぐにピアノ教室に連れていきます。そうすると、「女の子脳」の子どもは自己管理能力も優れているので、ついつい頑張っちゃうんですよね。そして、そこそこうまくなります。

 そうこうしているうちに、母親は「そろそろ、習字もいいかな?」などと思い始めて、習字教室のパンフレットを眺め始める。すると「ママ、習字もやりたい!」と言うんですね。さらに、中学年になるころには、私立中学のパンフレットを眺めて「そろそろ受験勉強ね」などと思っていると、「塾に通いたい」と言う。親は、子どもが自分から言い出してくれたので、うれしくなって「一緒に受験、頑張ろうね」となるのです。

 そうなるともう子どもは大変です。月曜日から日曜日まで予定がビッシリです。隙間なく、毎日、予定が入ることになります。本当に自分がやりたいことではないけれど、ママが喜ぶから続けて、決して嫌だとは言わない。本当はもう、いっぱいいっぱいなのに……。

 そういう生活が続くと、高学年や中学生くらいになって、燃え尽き症候群のようになってしまうことがあります。もう、すべてが嫌になって投げ出してしまい、何もやらなくなってしまうのです。

 なぜ、そうなってしまったのか、本人にさえ分からないし、もちろん親にも分かりません。そこで専門家に診てもらうと、「この子は、本当は習い事や塾はやりたくなかったんですよ」と指摘され、うつ病と診断される。そこで、親が慌てふためくといった話はよくあります。

 皆さんに声を大にしてお願いしたいのは、「子どもが本当に『自分がやりたい』と思うことをやらせてあげてください」ということ。自分がやりたいことをする時間ができるだけたくさんつくれる環境を整えてほしいのです。その中で子どもの能力はグングン伸びていくのだということを忘れないでください。

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國尾 一樹

國尾 一樹

コンテンツ企画・編集&ライター。早稲田大学卒業後、小学館の学年誌にてライター活動を開始。その後、主に週刊誌にて幅広いジャンルの特集記事、ルポ記事などを取材・執筆。ベネッセ『こどもちゃれんじぽけっと』の親向け情報誌にて父親のための子育て情報連載『オトコマエ育児』を担当した。以降、娘を持つパパライターとして、主に子育てや教育に関するメディアの特集記事や連載、書籍などにも関わっている。娘は現在、公立小学校と公設学童に通う2年生。“育児は育自”をモットーに毎日、娘から学ぶ日々を送りつつ、目黒区「子ども施策推進会議」委員として3年近く参加した。子育て&家事に積極的に関わろうとする父親のための集団やプロジェクトなどでも活動中。

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