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小島慶子 「働きすぎだから休んで」と誰か言って

仕事

小島慶子 「働きすぎだから休んで」と誰か言って

「好きで働いている」なら「死ぬほど働いてもいい」訳じゃない!パートナーはそれが言える唯一の人なのだ


 みんな、誰かの救援隊なのだ。自分が遭難していると、ついそれを忘れてしまうのだけれど。

 夫が仕事を辞めて片働きになってから、私は気持ちが休まることがなくなった。東京でもパースでも無理をしがちで、我ながら過労鬱に近い状態になっていると思う。誰かに止めて欲しい。日豪往復で半年しか稼動できない私の収入で、家族を養わなければならない。とにかく働かなきゃ、という強迫意識があって、休むのが怖いのだ。これは異常な精神状態なのだが、なかなか自力では思い留まれない。

「働きすぎだよ」ってちゃんと言ってほしい

 オーストラリアで家族と一緒に過ごしている3週間も、私は原稿を書いたりテレビ会議をしたり、それなりに忙しい。締め切りが重なると、徹夜が続いてしまうこともある。子どもたちが起きている間はなるべく彼らと一緒にいてやりたい。まして日本での3週間の出稼ぎ中は息子たちに会えない私としては、一緒にいられるパースでの3週間はなるべく彼らの要求に応えたいのだ。だから、仕事は睡眠時間を削って夜にやることになる。

 私だけじゃないだろう。早く家事を片付けたい、明日の仕事の準備をしたい、と思いながらも、子どもが寝るまでの限られた時間の中で親子の関係を作ろうと奮闘している親は、たくさんいるはずだ。それはとても幸せな時間だけれど、しんどくもある。幼い子どもと一緒に寝落ちしてしまい、夜中すぎに起きて戦場のような部屋の後片付けをし、パソコンを立ち上げるときの絶望感は、経験した人にしかわからないだろう。

 共働きでも片働きでも、子どもがいれば特に、夫婦はそれぞれに忙しい。自分の忙しさで手いっぱいで、相手にまで思いが及ばないものだ。働きすぎだよ、って言ってあげなきゃいけないときに「私だって大変なんだよ」と言ってしまったり、全く問題に気づかないこともある。

一家で出かけたキングスパーク。パースの名所でもある広大な植物公園です。風が気持ちいい爽やかな日で、心身ともにリフレッシュ。緑の力は偉大です。ユーカリの下を行くのは、右から夫、長男、次男。
一家で出かけたキングスパーク。パースの名所でもある広大な植物公園です。風が気持ちいい爽やかな日で、心身ともにリフレッシュ。緑の力は偉大です。ユーカリの下を行くのは、右から夫、長男、次男。

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