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元塾講師が見た学校現場 公立小が育む「大切な力」

子育て・教育

元塾講師が見た学校現場 公立小が育む「大切な力」

山口照美 幸せな人生を送るため必要な思考力や表現力を育てる

 民間人校長として現場に行く以上、何らかの「得意分野」を持って学校運営に貢献しなければならない。教師経験から来る指導力において、私は現場のベテラン教員や教頭先生にかなわない。今は運動会の準備中だ。できるだけ、私と教頭先生の2つの目でチェックをするようにしている。


運動会では河内音頭を、来場者も含めて全員で踊る。地元の民謡の会の方々に、指導に来ていただいた。「伝統」を伝える大事な機会だ

 教頭先生は「教員の学級を引っ張る力」を確認し、アドバイスをする。私は子どもたちを褒めることで、全員のモチベーションを上げる。どうすれば、カッコイイ子どもたちを見てもらえるか。そして褒められた子どもたちが達成感を味わえるか。同時に、安全面に関して気を配っている。

 教育に関する、私の得意分野は「自立学習の定着」と「小中連携」だ。子どもたちに学習習慣をつけさせ、繰り返し演習を行い、受験当日に力を発揮できるようサポートしてきた経験を、公立小学校でどう生かすか。また、小4から中3を一緒に教える塾だったため、「中1の壁」をリアルに感じてきた。その先にある高校受験についても、経験がある。

 全国学力・学習状況調査の結果が取り沙汰される今、いくつか気づいたことを取り上げたい。

公立小学校が育てている、大切な力

 受験業界の最先端にいながら、「学力」の定義に疑問を抱いていた。成績には現れない能力、よく事務室で語りあっていた「彼は世界中のどこに行っても生きていけるやろなぁ」という能力である。

 塾を辞めてから独立し、コンサルティングや広告の業界で生きてきた。そこには多くの「商才」を持った人間に出会った。学歴も、偏差値も関係ない。時代の先を読み、企画を立て、人を巻き込むプレゼン力とコミュニケーション能力を持ち、リスクを回避する冷静さや判断力を持つ経営者に多く出会った。この能力の全てを持たなくてもいい。補いあって仕事をするための、「人をつなぐ力」を持つ人にも多く出会った。

 教育の最終目的は、子どもたちに幸せな人生を送ってもらうことだ、とある校長が話していた。私もそう思う。では、幸せな人生とは何だろう? 高校生に向けた進路講演では、チャップリンの言葉を必ず紹介していた。「人生に必要な物は、想像力と勇気と少しのお金」。「想像力」は「愛」と訳されていることも多い。相手を思いやる心豊かさ、困難に立ち向かう強さ。同時に、経済的な自立が目標の1つであることは、外せない。

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