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民間人校長が考える教師とワーク・ライフ・バランス

子育て・教育

民間人校長が考える教師とワーク・ライフ・バランス

子ども達のためにも、教職員が笑顔で仕事できる環境作りが大切

日経DUALで何度も取り上げているワーク・ライフ・バランス。DUAL世帯にとって重要なテーマですが、では自分の子どもが通っている学校の先生のワーク・ライフ・バランスについて考えたこと、ありますか? 民間人校長の山口照美さんは、子ども達のために「教職員のワーク・ライフ・バランス」を目指すことを決めました。

 「子ども達のために」は、便利な言葉だ。この言葉があれば、教職員に休日出勤を命じても当然と思っている学校管理職に、たくさん出会ってきた。私も、どうしてもお願いせざるを得ない場合があるので、わかる。だが「ボランティア精神も含めて教育」とはっきり言われると、違うと反論したくなる。

 プロ教師であれば、時間内に子どもを伸ばしてほしい。そのために教材研究や自主研修を重ねる、多くのプロを知っている。単に、子どもと接する時間の長さだけで、評価はできない。しんどい子、おとなしい子への目配りができているか。的確な言葉かけができているか。プロだからこそ、無償で時間を浪費してほしくない。できる限り、時間内で質の高い仕事をしてほしいと考えている。

担任教師には休憩時間がない

 学校現場に来て2年以上、担任の多忙解消のために策を打っても、変えられないことがたくさんある。

 8時半から17時が勤務時間で、法律上、間に45分の休憩を取らなければならない。しかし、お昼は給食指導で休めないし、運動場で遊ぶ児童を看護する当番も割り当てられている。管理職や事務職、教務主任などの職員室チームはお昼に休憩を取るが、担任は放課後の15時半~16時15分で取ることになっている。

 そうは言っても、教室をのぞけば居残りして補習をしている姿がある。放課後に、金管バンドクラブの指導や研修・会議・出張もある。形骸化しているのが、現実だ。


この日は放課後に、学習園を教職員で耕した。ベテラン教員になると慣れたもので、畝の立て方もきれいだ。児童や保護者に見えない部分の仕事がたくさんあることを、知ってほしい

 一応、給与の4%を残業手当とすることで、勤務時間外の保護者対応や朝の看護当番に対応してもらっている。しかし、その時間を超えた要求が寄せられる。管理職は土日出勤も多く、特に教頭の業務負担は大きい。そのせいで管理職候補は減り、もともと40代が少ないのに加えて近年の「晩婚・晩産化」の影響で、働き盛りと育児が重なる。両立できる仕事にしなければ、教員志望者も管理職志望者も減る一方だ。

 今年度の学校方針を示す「平成27年度 敷津小学校運営の計画」には、初めて「教職員のワーク・ライフ・バランスの実現」を項目に入れた。批判も予想しないわけではない。私も、小学校2年生の娘の親だ。同じ学校の保護者から「担任のくせに産休なんて無責任よね」と投げられて、ドキっとする。隣のクラス担任と比べて、内容にあれこれ文句を言ってしまう自分もいる。

 かつての「子どもを学校で指導してもらう」関係から、「サービスの提供者と消費者」に上下関係がひっくり返っている学校もある。

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