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日経DUAL

「ひきこもり」になる子どもの親には共通点がある

上大岡トメさん×NPO法人育て上げネット×DUAL編集長座談会【前編】/無意識を意識化するだけで、結果は違う

「やればできる」という価値観を押しつけていた


育て上げネット若年支援事業部担当部長、産業カウンセラー・蟇田薫さん

トメ だって面と向かって言われちゃうと、ねえ。

羽生 そう言われて、ショックはありませんでしたか?

トメ うーん……、でも割と口うるさく言っているという自覚はあったんです。私自身は、親からそんなことを言われた覚えはなかったし、夫もそうだったみたいです。自分達は誰に言われなくても勉強してきたから、成功事例というか「何でも努力すれば成し遂げられる」という事例だったんです。

 何しろバブル世代ですから、目標を立てて、それをクリアするというふうにやっていくものだと思ってきた。もちろん、クリアできないこともたくさんあったんですけどね。子どもを見ると、つい「なんで努力しないの」と思ってしまう。

蟇田 本人はちゃんと努力しているんですけれどね。

トメ そう、それを分かってあげられなかった。

工藤 「勉強しろ」なんて親から言われたことがないですね、僕は。その代わり、両親から「30歳まで面倒を見てやるから、30歳になった瞬間から自分の力で生きろ」と言われて育ちました。

羽生 30歳まで子どもを養うというのは、ご両親の財力がないと、なかなか……。

工藤 いや、むしろ小中学生のころは貧しかったと思います。築年数が分からないほど古い木造の平屋の賃貸で、僕が多少壊しても怒られないくらいでした……。昔は20歳で成人しましたが、今の時代に即して言うならそれが30歳だろう、というのが両親の持論です。

 両親は自宅で自立支援の活動をしていたので、僕の周りにはいつも30人くらいの人が常にいて、一緒に暮らしていたんです。その中には、障がいを持っている人もいたし、ひきこもりも、少年院から出てきた人も、家に居場所が無い人もいて、僕にとっては“血のつながっていない兄と姉が30人くらいいる”という感じでした。だから、特殊な環境だったとは思います。

 両親とも大学を中退していて自営なので、「大学を卒業しないといけない」という話も家でされたことがない。中学のころに、「おまえはサラリーマンになるつもりか」と聞かれたんですね。「先に税金を引かれる生活でいいのか」、と(笑)。大学を出ないといけない、就職しないとマズい、という発想自体がなかった。

羽生 工藤さんの場合、怖いものがないわけですね。私などは、子どもがふとしたきっかけで進学・就職にうまくいかず路頭に迷うかもしれない…と考えると、すぐにこの崖の絵が浮かんでくるんです。怖い、これは(苦笑)!

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「子どもがひきこもりになりかけたら」座談会

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