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産育休者の仕事をカバーした社員に報酬を与える会社

小酒部さやか/増収増益、過去最高の受注を記録している日本レーザー。その経営指針「市場は見ない。人を見る」の真意とは?

マタハラNet代表・小酒部さやかさんの連載・第6回。今回、小酒部さんがお話を伺ったのは、レーザー機器専門商社の日本レーザー(東京・新宿)代表取締役の近藤宣之さんです。日本レーザーでは、産休・育休中社員の業務を代わりに行った社員を高く評価する評価システムを採るなど、独自の工夫が行われています。近藤さんに詳しく伺いました。

産休・育休中社員の業務を肩代わりした社員に賃金を分配する


日本レーザー代表取締役の近藤宣之さん

小酒部 マタハラNetに寄せられる相談の中に、産休・育休者が担当していた仕事を、周囲のメンバーが押し付けられてしまうという「逆マタハラ」問題があります。売り上げを優先する企業であれば、「人件費を浮かせることができ、仕事も回せる」と考えがちで、メンバーに手当てをすることもありません。御社ではそういった場合に、他人のために働いたことを評価する評価システムを採るなどした工夫をされていますね。こういった手立てを取ることができている企業さんはほとんどないのが実態ですが、近藤社長の考えをお聞かせいただけますか?

近藤宣之さん(以下、敬称略) 社内システムの面で工夫しているところは当然ありますが、見かけのテクニックに本質はありません。経営の姿勢がおろそかであれば、ノウハウだけまねても意味がないでしょう。

 例えば、産休・育休者の負担を誰かが担う。時間内に仕事は終わっているけれど、明らかに誰かがいつもの150%の力を出してカバーしている。それだったらその誰かの負担が大きくなった分、その社員の待遇を上げましょうというのは、経済効率ではなくて人として当然の発想です。会社が何を大切にし、何のために存在するのか、そこをおろそかにしてはいけないのです。

―― では、近藤社長が経営で大切にされているものとは何でしょう?

「女性は戦力だから辞めてほしくない」は、社員を見ていない経営者の発言

近藤 一般的に、経営者は市場を見て経営をするわけです。右肩上がりの事業展望を持つ。新規事業が生み出す価値を計算する。高成長、高収益、高配当、高株価の会社になることを目標にする。そして、それが企業価値だと考える。

 私達は上場できますが、しません。

 なぜしないのかといえば、市場を見た経営、お金を見た経営をしたくないからです。私は人を見た経営をしたい。人を見ていてごらんなさい。人は変わるものです。結婚や出産もします。こういった変化に気づき、受け入れられるようになっていくものです。こうして人を見ていくことが経営であって、変化があったからといって辞めさせるのはおかしいじゃありませんか。

 女性活用の枠組みでお話をすると、それなりに理解のある経営者は「女性活用を進めよう。経験を積んだ人間が戻ってくれば戦力になる」と言うかもしれません。しかし、即戦力になれない人間がもちろんいますから、「能力があるから辞めてほしくない」という発想は経営者の願望を見ているだけで、社員を見てはいないわけです。

 世の常で、どの会社にもなかなか戦力にならない人はいるものですが、私達の会社の離職率はゼロです。

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