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小島慶子 共稼ぎ夫婦の「夜の生活」、ここだけの話

趣味

小島慶子 共稼ぎ夫婦の「夜の生活」、ここだけの話

夫婦の年収バランスから、私たちが本当に自由になるために

 うんうん、そうだね。その「男らしさ=稼ぎの多さ」のイメージは「稼いでいるのは私なのに、なんでベッドの中ではリードされる振りしなきゃいけないのさ」と思ってしまった彼女自身の中にもあるんだと思う。だから彼が自信を取り戻した今、やっぱりホッとして、つい私にのろけてしまったんだろうな。

 私も、稼いでいる額で関係が変わるっていうのは、身に覚えがある。

「あなたをどうやって尊敬すればいいのよ」って言った自分にショック

 夫が仕事を辞めて年収0になったときも、動揺のあまりひどいことをたくさん言ってしまったし、かつて自分が育児時短勤務で年収が減った時にも「私のことバカにしてるんでしょ」とか、彼が言ってもいないことで絡んでいた。彼に自分の気持ちを投影していたのだ。稼ぎの減った私なんて価値がない、っていう気持ちを。だから、同じことを夫にも言った。年収0のあなたをどうやって尊敬すればいいのよ、って。本当に最低な、ひどい話だ。私はお金で人との関係が変わってしまう人間なんだ、とすごくショックだった。

 結局それを乗り越えてオーストラリアに引っ越したんだけど、それでも心の底からありのままの夫を受け入れるのに、実質3年ぐらいかかってしまった。オーストラリアでの生活がようやく落ち着き、子どもたちが勉強の遅れもなく、新しい生活を心から楽しんでいるのを見て、これはずっとそばにいる夫のおかげだと、心底彼を尊敬した。その時ようやく「稼いでいない夫」というフィルターなしで彼を見ることができたのだ。それほど私の男性に対する偏見は強かった。

 夫自身もおそらく不安に思っていただろう。けれど彼が私の前で卑屈になることはなかった。それは私にとっても救いだった。夫も必死に頑張っていたのかもしれないけど、仕事をしていた時と何ら変わらぬ存在感でそこにいてくれたことが、やっぱり私の支えになったのだ。ああ、年収が変わっても彼の存在の大きさは変わらない、って思えたから。

 本当は、しょぼくれて人が変わったようになった彼のことも受け入れられるくらいの度量が欲しい。でも私の貧しい魂は、残念ながらそこまでの強さがなかったのだ。彼もそれを知っていたから、私に弱みを見せないようにしていたのかな。それはしんどかったろうな。

 最近、夫がふと言ったのだ。ここ数年、なんだかずっと気持ちが落ち着かなかったのだと。でも、もう大丈夫だよ、と。

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小島慶子のDUALな本音

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