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メンバーズ 「残業を減らせ」の前にまず給与アップ

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メンバーズ 「残業を減らせ」の前にまず給与アップ

残業22.1%削減と過去最高業績を同時達成。社員の年収2割アップが目標

 企業のウェブマーケティングを支援する株式会社メンバーズ(東京・中央、剣持忠社長、東証一部上場)は、残業削減など働き方に取り組んでいる企業の一つ。特筆すべきは、2016年度~18年度の3年間で、残業を5割減らすと同時に、年収2割アップも目標としていることだ。まずは2016年の4月と10月、2017年4月に3半期連続で、月額固定給のベースアップ(合計10%)を実施した。

 「単に残業を減らせ、と号令をかけても、給与(時間外手当)が減ることを心配する社員もいた。では、あらかじめそれ以上の給与アップをして、安心して残業削減に取り組んでもらおう、と思った」というのは常務執行役員の高野明彦さん。この記事では、メンバーズの働き方改革について紹介する。

「残業は減らしたいけれど、残業代が大きく減るのはつらい」

 メンバーズは2016年度、月平均残業時間を前年比22.1%削減すると同時に、過去最高の上半期業績を達成した。「残業削減と過去最高益」を同時に達成したことから、働き方改革への取り組みなどが大きな注目を集めた。優良な健康経営を実践している法人として、経済産業省と日本健康会議から「健康経営優良法人2017(ホワイト500)」にも選定されている。

 そんなメンバーズだが、働き方改革に取り組もうと思った背景には、どんな理由があったのだろうか。


メンバーズ・常務執行役員の高野明彦さん

高野明彦さん(以下、敬称略) 2007年から2期連続で赤字になるなど、やることすべてうまくいかない、という時期がありました。当社はクライアントのウェブサイト構築・運用などが主な業務なのですが「明日までにサイト更新してください」と言われたら、深夜残業・休日出勤は当たり前の状況。社員も心身ともに疲弊して、離職率も2割などに高まりました。これだけ社員が一生懸命働いているのに、業績は上がらない。給与も上げられない。すべてが悪循環でした。

 そこで、サービスの取捨選択や強化を進めるとともに、働き方や人事制度を見直しました。それまでウェブエンジニアやデザイナーの業界では一般的だった裁量労働制をやめ、時間管理をすることに。一時、残業代が増えることを覚悟しましたが、おかげで業績回復を果たし、離職率も下がりました。

 その後も生産性を高め、残業そのものを減らすべく取り組みを続けてきました。2016年にさらに社員が長期を見通しやすい報酬制度・給与モデルをつくり、多様なキャリア・働き方をサポートするプロジェクトを立ち上げました。生産性向上・残業削減に取り組むにあたって、事前アンケートを行ったところ、特に若い社員などからは『残業は減らしたいけれど、残業代が大きく減るのはつらい』という声があがりました。

 そこで、2016年4月と10月に2半期連続でベースアップを実施し、通期で8%、給与を引き上げました。ベースアップは当社のようなITベンチャーでは非常に珍しいことです。残業削減によって減ることになる残業代以上のベースアップをあらかじめ行い、給与を保証する。だから、安心して残業を減らしてほしい、というメッセ―ジを社員に伝えたかった。2018年度末までに、社員の年収を20%上げることが目標です。

 背景には、デジタルマーケティングを支えるウェブデザイナー、エンジニア、クリエーターなどへの、世の中のニーズが高まっていることがあります。働きやすい会社にし、しっかりと報酬も支払い、転職などによる離職率をできるだけ少なくしたい。また女性社員、ママ社員も増えているなか、女性管理職比率を30%に引き上げたいという目標も掲げているので、働き方改革は急務でした。

 2016年度からの3年間プロジェクトで、残業を50%減らすことが目標です。具体的には、それまで30時間だった平均残業時間を、15時間にする目標を掲げています。

株式会社メンバーズ
経営理念に「“MEMBERSHIP”でマーケティングを変え、心豊かな社会を創る」を掲げ、国内大手企業を中心とした顧客企業に対し、デジタルマーケティング分野における戦略立案から企業ウェブサイトの構築・運用、ソーシャルメディア活用等の支援サービスを総合的に展開している。設立は1995年。連結売上高は80億8800万円(2017年3月期)。

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