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「子どもが生まれたからシッカリ働く」は時代遅れ

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「子どもが生まれたからシッカリ働く」は時代遅れ

(2)家庭内の戦略編(上)離婚リスクを回避するためにパパに必要なこと

 「笑っているパパ」を増やそうと活動を続けてきたNPO法人「ファザーリング・ジャパン」(FJ)の代表として全国を飛び回り、数多くの新米パパ&ママのための両親学級をはじめ、イクボスセミナーなど、数々の講演をこなしてきた安藤哲也さん。「仕事も家庭もうまく回したい!」と思うパパに向けて、人生戦略の組み立て方やそのコツ、考え方などについてお伺いする連載です。第2回目は、家庭内での戦略についてです。

家庭の事業理念があると修正が効く

── 前回お聞きしたように、子どもが生まれた直後からしばらくは産後クライシスとか、産後うつの問題などもあって、ママとの付き合い方が何かと難しいと思います。いかがでしょうか?

 産後からスタートということではないと僕は思っています。できることなら、恋人として付き合っている段階や、結婚が決まりそうになった段階から、将来、子どもが生まれたときに共働きでやっていくのかどうか、ある程度ビジョンを話し合って、お互いの意思確認をしておかないと、後々まずいことになると思います。

 これから共働きはますます当たり前のものになっていくと思いますが、以前は、ママたちから「働きたいと言ったら夫から反対されて困っています」といった話をよく聞きました。思わず、「え!? そんな大事なことも話し合わないまま結婚したの?」って聞いたら、「事前にそんなこと言ったら、嫌われて結婚してもらえないかもしれないと思って、言えませんでした」という女性が少なからずいました。つい数年前まではそんな時代だったんですよね。そのとき、女性の意識のOSバージョンアップも必要だなあと感じました。

 例えば、何かモノを買うときには、そのモノがいいのか悪いのか、いろいろと調べるじゃないですか。そういう意味では、結婚生活においても最初の合議が大切だと思います。結婚してからどういう家庭にしたいのか、どういう子育てをしたいのかといったことを話し合っておくべきだと思います。これからはできることなら、老後のことも話し合っておくべきです。

 家庭の戦略の基礎になるような部分での話し合いが、結婚前にできているカップルというのは、結婚後も家庭経営のあらゆるリスクが減っていくと思います。もし、リスクが生じたとしても、基本的な家庭の“事業理念”みたいなものがあるので、修正が効くわけです。そういうことを会社経営ではやってきているわけですから、家庭でも同様に考えてみることをオススメしたいですね。


安藤哲也 1962年生まれ。出版社、書店、IT企業など9回の転職を経て、2006年にファザーリング・ジャパンを設立。厚生労働省「イクメンプロジェクト推進チーム」顧問、内閣府「男女共同参画推進連携会議」委員などを歴任。NPO法人タイガーマスク基金代表も務める。二男一女の父。新著に『「仕事も家庭も」世代の新・人生戦略 「パパは大変」が「面白い!」に変わる本』など

離婚というリスクを回避するために必要なこと

── よく、「結婚は勢いだ」と言う人もいましたが、今はそういう時代ではないということでしょうか?

 日本では、ちょっと前までは、結婚というものが一種のゴール、憧れでもありましたから「チャンスがあるならしておこう」という意識が強かった。また僕ら50代の世代だと、25歳くらいで結婚していないと一人前じゃないって言われていましたからね。だから、僕の同級生なんかはみんな20代で結婚していました。そんな状況で僕も慌てて25歳で最初の結婚をしたというのが実態です。

 でも、4年で離婚してしまい、数年後に再び結婚しようかどうかと考えていたときに、「同じ失敗を繰り返してしまったらバカだよな」って思いました。そこで、「結婚って何だろう?」とずっと考え続けました。しばらくしてからパートナーとよく話し合い、何となく自分なりの答えが見えてきたので、現在の妻にプロポーズをして娘が生まれました。やはり、今日本の離婚率がこれだけ上がってきているというのは、最初の合議が甘かったからだと思います。ことさらに慎重になる必要はないのですが、お互いの生き方や夢、価値観や家庭観、仕事観などはすり合わせておいた方がいいと思います。知り合いの独身者や自分の子どもにもそんな話をしています。

 もしかしたら、これからは結婚コンサルティングみたいなビジネスが人気になるのではないかと思っています。これだけ身近に失敗例が多いと、さすがにリスクヘッジしたくなると思うんです。結婚するまでに一定の期間を取って、家庭の目的だとか理念といったことをちゃんとすり合わせる。その上で、お互いの家族や親族、友人に示して、私たちはこういう結婚生活を送り、こういった家庭を築いていきますということを宣言し、周囲が認めてくれたら結婚する。そんなプログラムができないものかと考えたりしています。

 私は児童養護施設で育った若者たちを支援する「タイガーマスク基金」の代表も務めていますが、家庭不和や離婚が原因で親がうつ病になって養育できなくなるといった事情で施設に保護される子どもたちも見てきました。何とか親が結婚後や子育て期の生活においてエラーを起こさないような予防策になるプロジェクトをできないものかと思っています。

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仕事も家庭もうまくいく! 安藤パパの父親を楽しむための新戦略

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