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家族のことも話せる職場関係が「介護支援」の第一歩

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家族のことも話せる職場関係が「介護支援」の第一歩

書籍『育児&介護を乗り切る ダイバーシティ・マネジメント イクボスの教科書』の書き込み式ワークシートに挑戦(2)

 日経DUALでは、働き方改革に取り組む管理職が知っておきたいマネジメントのノウハウを先進企業の事例とともに紹介する『育児&介護を乗り切る ダイバーシティ・マネジメント イクボスの教科書』を発売します。子育てに加えて近年増加している介護との両立にもスポットを当て、「生産性をどう上げるか」「介護が始まった場合の具体策を考える」など、イクボスに近づくための課題が見つかる書き込み式ワークシートも収録。今回は、日経BP社の小林暢子・人事室長が介護の実践ワークに挑戦しました

大変さが見えやすい「初期」「終末期」より、「中期」がつらいかもしれない

日経DUAL編集部 小林人事室長には人事の立場からダイバーシティ・マネジメントについて、特に介護との両立支援について伺いたいと思います。介護人口が年々増加する中で、40代、50代の人たちは明日介護に直面してもおかしくない状況ですが、周囲に言い出せない「隠れ介護」のケースも多いといいます。

小林人事室長(以下、小林) 確かにそうですね。それに加えて「孫介護」の問題もあるなと感じています。両親とも仕事をしているために、成人した孫も一緒になっておばあちゃん、おじいちゃんの介護をする必要があり、仕事に影響が出てきたという人の話も最近聞いたばかりで。社会に出て、さあこれから!というときに負担がのしかかってくる可能性もあるんですよね。

―― そういうときに会社としては退職などに至らないよう、どうケアしていくかがとても大切になりますね。書籍の59ページに詳しくありますが、介護の平均期間は4年11カ月(生命保険文化センターの調査)で、ダイバーシティ・コンサルタントの渥美由喜さんは3つのケースがあると言っています。健康な状態から3カ月程度で急に亡くなるケース、4、5年ほど介護が続く平均的なケース、そして、ほぼ寝たきりなどで10年以上にわたるケースです。

 渥美さんによると、介護は初動がとても重要で、関係者が集まって体制づくりやお金のことなどを話し合う必要があり、ここはどうしても仕事を休まないといけません。それが「中期」になると、介護が軌道に乗って普段はヘルパーさんなどに任せられるので、仕事のめども立てやすくなる。みとりの時期が近づく「終末期」は家族と過ごす時間が増えるので、仕事の調整が再び必要になるそうです。

小林 急に親の具合が悪くなった「初期」や「終末期」というのは、大変だというのが周りにも目に見えて分かるし、理解が得られやすいのではないでしょうか。むしろ一番つらいのは「中期」という気がします。介護が長期化すると本人も疲れてくるし、職場で「どうしてあの人は毎週金曜に半休を取るの?」みたいに思われてしまうかもしれない

 私自身、初期の対応というのは意識してきました。例えば、以前、部下に「母が手術をすることになった」と言われたときに、今後何かあったときにも休みが取れるよう、仕事にサブで別の人をつけるなど、バックアップ体制を整えたことがあります。ただ、中期のことは正直言ってあまり考えていなかったですね。

―― マネジメントの立場からは、社員の介護とキャリアの両立をどう応援していけばいいでしょうか。

小林 なかなか難しいのですが、それぞれが抱えている状況を職場で話し合える関係性を、普段から築いておくことが重要のように思います。今はあまりプライベートに立ち入らないようにという世の中ですが、家族のことなどを互いに知り、気遣ってあげられる関係を作っていくことが大事なのではないでしょうか。

―― まずは直属の上司が話を聞き、具体的な支援制度などさらに詳しい情報を得るための社内相談窓口は人事や総務といった部門が担うことになりますね。

小林 そうですね。ちょっとしたことでも、とりあえず人事に聞きに来てくれるといいなと思っています。私は4月から今の部署におりますが、いろんな支援制度を情報発信しているつもりでも、うまく伝わっていなかったりするということを感じています。「こんなことで困っている」と訪ねてきてもらえれば直接説明できるし、そうしてもらえるようもっと開かれた場所にしておくべきと考えています

―― 書籍をつくるにあたり、渥美さんや介護支援に先進的に取り組んでいる企業に取材したところ、介護と仕事を両立している社員の事例をイントラネットなどで共有することが効果的だというお話がありました。育児に比べて介護はロールモデルを目にする機会が少ないので、事例を見せることが「両立は可能なんだ」という強いメッセージになるそうです。

小林 何も知らないと、介護は施設に入れて完全に人任せにするか、自分が全部何とかするか、の2つの選択肢しかないと思ってしまいがちですよね。私自身も介護の経験がないので、そのあたりをきちんと理解して、一緒に働く人に対していいアドバイスができるようになりたいと思います。

離れていても、介護でできることはある

―― さて、小林さんにも書籍に収録した介護の実践ワークシートに書き込んでいただきます。現在の家族の状況と、その中の誰かが要介護になった場面を想定し、それぞれの家族メンバーがどういった形で介護にコミットしていくかをシミュレーションしてみてください。渥美さんのいう「介護にコミットする5つの方法=てじかあこ」の何ができるを、家族メンバー一人ひとりの欄に書き込んでください。

◆ て=手を動かす、じ=時間を使う、か=金を使う、あ=頭を使う、こ=心を動かす ◆

小林 私の両親はすでに他界しているのですが、夫の両親が80歳を超えていて、介護のことは気にかかっています。介護イコール食事や排泄の世話というイメージを持っていましたが、自分たちにできることはそれだけじゃないんですね。「頭を使う」もあれば「心を動かす」もある。夫の弟は海外に住んでいるので、介護に参加してもらうのは無理だと思っていましたが、治療の情報収集など距離が離れていてもやってもらえることはあるんですね

―― 渥美さんへの取材で、「介護は全員参加が原則」というチーム体制が大切なことを初めて知りました。

小林 自分はともかく、他の家族メンバーに何ができるかを考える機会ってあまりないですものね。これまで、介護はいつかは来るものだと漠然と捉えていましたが、「もし明日、急に家族の誰かが倒れてしまったら?」と問題意識が変わりますね。「初期」に自分たち夫婦だけで抱え込まずに、家族みんなでそれぞれができる役割を分担して「中期」に入っていけるといいなと思いました。

―― ワークシートの「働き方」を考える項目のほうはどうでしょうか。介護の「終末期」に入ったとき、どう休みを取り、どう仕事を回していくかを具体的に考えるものになっています。

小林 書き出してみると、会議など計画的に運用しているもの以外に、様々な方からの急な相談に対応する仕事が意外に多いことに気づきました。直接話せばすぐ進む話も、メールではタイムラグが生じたり、意思疎通がうまくいかなかったりして、難しいと感じることもあります。

 電話など、対面以外のコミュニケーションをもう少し上手にできるようにして、不在時も仕事への影響を最小限に抑えられるよう仕組み作りを工夫していきたいと思います。

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(文/谷口絵美 写真/花井智子)

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