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本音対談!なぜワンオペ問題はなくならないのか

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本音対談!なぜワンオペ問題はなくならないのか

【ワンオペ育児からの脱出法 特集】(2)男性の「◯◯できない」はウソ、チキンレースに妻が負けてしまう理由

 ブラック企業で起きた「ワンオペレーション(一人作業)=ワンオペ」問題になぞらえて、育児や家事を一人で背負っている状態を、いつしか「ワンオペ育児」と呼ぶようになりました。「男は仕事」「女は家庭」という価値観は過去のものとされ、当たり前に育児や家事をこなす夫は増えている反面、「ワンオペ育児」に悩み、仕事と育児・家事の両立で疲弊しきっている妻もまだまだたくさんいます。この特集では、実例や専門家の取材を通じて、ワンオペ育児の実態や、ワンオペ育児がなくならない理由、解決策などについて多角的に掘り下げます。

 今回から2回にわたって、日経DUAL連載『怒れ!30代』でもおなじみのジャーナリストの治部れんげさんと、著書『ワンオペ育児』を上梓したばかりの明治大学商学部教授、藤田結子さんとの対談をお届け。テーマは「なぜワンオペ問題はなくならないのか」。共に、共働き子育てを研究対象とし、ご自身もバリバリ現役ワーママであるお二人の舌鋒鋭いやり取りから見えてきたものとは? 

【ワンオペ育児からの脱出法 特集】
第1回 「ワンオペ育児を変えたいけれど、変わらないと思う」7割
第2回 本音対談!なぜワンオペ問題はなくならないのか ←今回はココ!
第3回 対談後編! 男の甘え、女の諦め、長時間労働で思考停止に
第4回 「ふんわり夫」が3週間で変わる 驚きの交渉ツール
第5回 交渉術実践!論破不可能の「鉄壁夫」を切り崩せ
第6回 「チーム育児」は仕事の役にも立つ 中原淳さんインタビュー

「夫は褒めて伸ばせ」論にイラつく妻たち

 ある晴れた日の午後、ワンオペ育児に関する読者アンケート結果(第1回に掲載)の抜粋を読みながら対談は始まりました。

治部れんげさん(以下、治部) 「夫を褒めたり、持ち上げたりするのは、もう疲れた」……。

DUAL編集部(以下、――) 夫を家事や育児に参加させるために、「夫を褒めろ」というアドバイスはよく言われますよね。

藤田結子さん(以下、藤田) それ、全く同意できない。だって、やってない人を褒める、って変じゃないですか。つけ上がるだけじゃないですか。でも、上の世代の女性で、そういう考え方の方が割といますよね。夫は「褒めろ」と。

治部 手のひらで転がせばいいじゃない、という考え方ですね。

藤田 私は絶対に褒めたりしないですよ。これを言うとブーイングかもしれないですけど、自分の気持ちを抑えて「褒める」っていうのは感情労働なんですよね。れっきとした労働の一種であり、家に帰ってまで感情労働を強いられるって、どうかと思うんです。

治部 私もおかしいと思う。「稼いでくること」と、家事育児は交換だと私は思っているのですけど、2人が同じ家にいて、同じように稼いでいるという前提で、その状況において、なんで妻がそんなお母さんみたいなことを配偶者にしなくちゃいけないのか、意味が分からない。

―― 家事や育児に苦手意識を持ち、「得意なんだから、妻がやったほうが」という夫は結構な数いるようですね。その結果、妻のワンオペになってしまっている。

治部 「得意じゃないからできない」なんて、会社で言ったら、無能と思われ左遷されますよね。でも、家ではなぜか妻にそういうことを平気で言って甘えちゃうって不思議ですよね。

治部れんげ(左) 昭和女子大学現代ビジネス研究所研究員。1997年一橋大学法学部卒業後、日経BP社入社。経済誌の記者・編集者を務める。その間、2006~07年フルブライト・ジャーナリストプログラムで米国留学。ミシガン大学客員研究員としてアメリカの共働き子育て先進事例を調査。14年からフリーに。国内外の共働き子育て事情について調査、執筆、講演などを行う。著書『稼ぐ妻・育てる夫―夫婦の戦略的役割交換』(勁草書房)、『ふたりの子育てルール』(PHP研究所)。小学生の息子と幼稚園児の娘の母親。

藤田結子(右) 明治大学商学部教授。慶応義塾大学文学部を卒業後、米国コロンビア大学大学院で修士号を取得した後、英国ロンドン大学大学院で博士号を取得。2011年から明治大学商学部准教授、2016年から現職。専門は社会学。参与観察やインタビューを行う「エスノグラフィー」という手法で、日本や海外の文化、メディア、若者、消費、ジェンダーなどのフィールド調査をしている。著書に『ワンオペ育児 わかってほしい休めない日常』(毎日新聞出版)、『ファッションで社会学する』(共編著、有斐閣)など。4歳の男の子を子育て中。

男性の「◯◯できない」はウソ、「苦手」は必ず克服できる

治部 実は私は、いわゆる「世のお父さん」と同じタイプだったんです。子どもが30代で生まれるまで、米をいつ買ったか分からないほど、料理なんてしたことなかった。子どもが生まれてからも、会社員時代は週2回、家事手伝いの人に来てもらって作りだめしてもらって。でもそんな私が最近、空揚げとか作ってるんですよ! 子どもはかわいいから「お弁当、空揚げがいい!」とか言われると、作るんですよね。だから世の男性の「◯◯できない」はウソなんですよ。なぜなら、何もできなかったこの私だってできるようになったから。私の「できなさ」と世のビジネスマンの「できなさ」は、ほぼ同じだったと思うんですよね。要はやる気の問題です。

藤田 完全同意(深くうなずく)。「女性のほうが料理が得意だから……」って激しい思い込みですよね。有名シェフはみんな男だし。女子学生を見ていても、お母さんにやってもらって、料理とか全然してないですよ。一人暮らしの子が、それこそ初めて彼氏ができて頑張る、ぐらいの感じ。「できない」というレベルは今、若い男女ではあまり差がないですよね。でも、この思い込みって根深くて、ジェンダー問題に関心のある男性でも、ついポロッと「女性のほうが得意だから」とか言っちゃったり。

治部 あ、言ったな?って感じですよね(笑)。

「どこまで我慢できるか」チキンレースに負ける妻たち

治部 解決策としては、妻が「やらない」しかないんですよね。どちらがどこまで我慢できるか、チキンレースですよ。あるDINKSの妻が、皿洗いは夫の当番と決めたので、どれだけ長く皿を放置してあっても、汚いから早く洗いたくてウズウズしても我慢した。そうしたらあるタイミングで夫が洗った!と。これは家事のケースですけど。

―― 手を出したほうが、負け、ですね。

治部 子ども相手でもそうですけど、片付けないからと親が手を出してしまうと、なかなか自分でできるようにならない。我慢が肝心ですが、やはり女性のほうが、先に手を出してしまいがち。

―― なぜ、女性はチキンレースに負けてしまうのでしょうか。

藤田 そこですよね。そのあたりの議論は研究されています。

≪次ページからの内容≫
・「子どものため」のおこぼれにあずかる夫
・「報酬」のある育児のほうが、夫はとっつきやすい?
・「テニスのダブルスでいえば、男は前衛、女は後衛」!
・「育児ゼロ夫」か「変人」か、2択を迫られる夫たち
・「今、俺正念場だから仕事に集中させて」の夫はどうする
・「男なら全員課長になれる時代は終わった」のに…

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