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「働く母親」と「専業ママ」、実は共通点が多い

子育て・教育

「働く母親」と「専業ママ」、実は共通点が多い

治部れんげ/元・横浜副市長の著『保育園問題』は、育児と仕事を考えるための良書

こんにちは、治部れんげです。そろそろ夏休み! 皆さん、旅行などの計画は立て始めたころでしょうか? 私は家族旅行をはじめ、祖父母のもとに子どもを連れていったり、講演で地方に出かけたり、だいぶ予定が決まってきたところです。

今回は夏休みの時間があるとき、ぜひ読んでいただきたい本をご紹介します。前田正子著『保育園問題』(中公新書)。著者は大学教授で、横浜市副市長を務めていたことがあります。横浜市と言えば、市長のリーダーシップで待機児童ゼロを実現した自治体です。一方、作られた保育所の中身については、様々な意見がありました。

深刻な待機児童問題に対する横浜市の解決策を紹介

 私がこの本をおすすめする理由は3つあります。

 1つ目は、保育園不足というDUAL読者の多くが経験した社会問題を扱っていること。入園できた人も、保活の大変さはしばらく忘れないでしょう。記憶が鮮明なうちに、後輩世代のためにも、どうしたらいいのか、考えてほしいです。

 2つ目は、著者の前田氏自身が、2人の息子さんを育てながら共働きを続けてきた、現役ワーキングマザーであることです。シンクタンク研究員、子連れ留学、副市長、大学教授と、キャリアを重ねつつ子育てしてきた人のリアルな言葉には説得力があります。

 特に、激務だった副市長時代を振り返り、祖父母や外注先、多忙でもフレキシブルだった配偶者のサポートに触れているくだりは印象的です。母親が責任ある仕事をまっとうするには、ワンオペでは無理なことが分かります。加えて、もっとゆとりある育児を楽しみながら責任ある仕事をこなせるような、働き方改革の必要性も伝わってきます。

 3つ目は、著者が保育園不足の問題に行政の立場で実際に取り組んできたことです。かつて横浜市は待機児童数が全国でも指折りの多さでした。財政や用地に限りがある中、いかに保育園を増やすか。その際、いかに量だけでなく質を担保するか……。

 難しい課題に取り組んだ実績ゆえ、例えば保育園の運営を市場に任せてしまう、といったような、単純な解決策に走らない論の運びに信頼を感じます。この点は、著者が研究者であり、諸外国の政策や事例を知っていることも影響していると思います。

 また、保育士の働く環境整備と親の利便性追求がトレードオフになっていることも分かります。保育園を増やすには保育士の処遇改善、働き方改革が必要です。保育園を増やせ、と単純に要求するだけでなく、その際、親の発想、働き方なども変える必要があることを教えてくれます。

 ここまで、本書をおすすめしたい客観的な理由を3つ記しました。続いて、私が個人的に、よかったな、と思うところを1つ挙げたいと思います。

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