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「賃貸派vs.持ち家派」論争 賃貸派の末路

不動産投資に詳しいコンサルタントの石川貴康氏に聞く

 この記事は、書籍「宝くじで1億円当たった人の末路」の一部を抜粋しました。日経ビジネスオンラインの好評記事を1冊にまとめて、発売3カ月で8万部を突破しました。本書の中から、今回は「賃貸派の末路」について、不動産投資に詳しいコンサルタントの石川貴康氏に話を聞きました。(聞き手は日経ビジネス編集部の鈴木信行)

 家を買うべきか、借り続けるべきかは、若手社員にとって永遠の命題だ。仕事のことならともかく、こと持ち家問題に関しては、先輩に相談しても明快な答えは得られない。既に自宅を購入した“持ち家派”は、「家賃を払い続けても賃貸住宅は未来永劫、他人のもの。同じくらいの金額ならローンを払って自分の資産にした方がいい」と主張する。一方、“賃貸派”は「先が見えない中でローンを組むなんてとんでもない」と持ち家戦略のリスクをあおる。両者の主張は平行線をたどるばかりで、永遠に決着が付きそうにない。

 だがそんな中、「サラリーマンは自宅を買ってはいけない」と明快に主張するコンサルタント・不動産投資家がいる。その根拠と、賃貸派のアキレス腱である老後の暮らしについて対策を聞いた。

―― 著書『サラリーマンは自宅を買うな』(東洋経済新報社)で、会社員がローンを組んで自宅を所有するリスクを主張されています。今ここに、まさに自宅を買おうとしている会社員がいたら、どう説得を試みますか。

石川: まず、「今後35年間、本当に今以上の給料をもらい続けられると思っているのですか」と質問します。解雇されなくても健康を害して働けなくなるかもしれないし、雇用は維持されても給料が下がってローンを払いきれなくなるかもしれません。

ああ言えばこう言う持ち家派は、こう論破

―― 家を買うと一度決心した持ち家派は、その程度では考えを曲げないのでは。「そうなったら売ればいい」と言うと思います。

石川: 不動産神話が続いていた時代ならともかく、市況がどんどん下がっている現状では、古くなった家はたとえ売れても残債が出る確率が極めて高い。そうなれば、自宅を売って、再び賃貸に移った後もローンを払い続けなければなりません。家賃と残債の支払いで生活は確実に困窮します。ノンリコースローン(非遡及型融資)が普及している海外ならば、ローンが払えなくなれば不動産を取り上げられるだけですが、日本ではそうはいきません。

―― 持ち家派は「そこまで事態が悪化するのはレアケース。仮にそんな状況になったら賃貸でも悲惨な状況は変わらない」と言うと思います。

石川: いえいえ。賃貸派であればより安い物件に引っ越せばいいし、家賃とローンの残債を二重払いするような事態には陥りません。それに、自宅のローンによる生活の困窮は、失業した人のみならず、年収1000万円以上をリアルタイムで稼いでいる世帯にまで広がっています。日本経済の停滞によって、ローンを契約した当時に期待したほど、その後の収入が増えていない、あるいはむしろ収入が落ちているからです。

 例えばこんなケースがあります。ある一部上場企業の社員が都内23区内にマンションを購入しました。子供が2人いて40代後半の方ですが、収入が減る中、学費と住宅ローンに追われ、完全に貯金を取り崩す状態に陥っています。これから2人の子供が高校、大学と進学すれば、ローンが滞る事態になりかねない。解雇もされず、普通に働いている大企業の社員でさえ、そんな状況なのです。

―― お話を聞いていると、問題なのは持ち家を買うことではなく、ローンを組むことのように思えてきます。

石川: ある程度のまとまった資産があって、一括で持ち家を買うというのであれば、それはそれで一つの考え方だと思います。

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