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山口照美 私が小学校校長から区長になった理由

子育て・教育

山口照美 私が小学校校長から区長になった理由

「経済格差を教育格差にしない」というミッションをクリアするため、退路を断って区長公募に手を挙げた

日経DUAL創刊時から、連載「ママ世代公募校長奮闘記」を執筆してきた大阪市立敷津小学校・元校長の山口照美さん。2016年4月からは公教育に関わる職務に就き、DUALでも「山口照美 20年後の未来を生きる力を育てよう!」で熱い言葉を届けてくれました。そして、2018年1月からは、大阪市生野区の区長として、子育て世代だからこその「まちづくり」を考えます。待望の新連載です。 

* 本連載の最後のページには、《区長に質問!コーナー》があります。行政に対する素朴な疑問に山口さんが答えます。ぜひご覧ください。

学校外の課題を解決しない限り、「経済格差を教育格差にしない」は実現不能

 私は、39歳のとき、民間人校長として大阪市の市立小学校の校長となった。3年の任期を務め、4年目に教育委員会に呼ばれることになる。3年間の実践をいよいよ大阪市中に届けるのだと意気込んだが、結局のところ「学校の外」の課題を解決しない限り、ずっと抱いている「経済格差を教育格差にしない」というミッションはクリアできないという壁にぶち当たった。

 それは、福祉であったり、子育て支援であったり、地域力の問題であったりする。

 なんとか突破しようと企画書を出すと、「それは教育課程外」「部署が違う」と、組織の枠を突破できない。組織がしっかりしていることは、否定しない。公立小中学校合わせて400校を超える巨大規模の学校管理を行い、様々な重点施策を考えて予算を適切に執行し、そこで奮闘する人たちにも、たくさん出会ってきた。

 しかし、私に与えられた役割も見えなかったし、権限もなかった。「経済格差を教育格差にしない」という思いで飛び込んできたのに、無難に組織を回すだけでいいのだろうか。これなら、民間から来た意味は何もない。

 日経DUALの読者なら、経験があるかもしれない。やりたいことがやれない。自分の役割が分からない。貢献できている実感がない。

 だが、そんな理由だけで、安易に職を変えられるほど未熟でも若くもない。私は、43歳になっており、校長になったときに9カ月だった下の子は4歳になっていた。

 そんなとき、「大阪市の区長を公募します」というニュースを見た。

 大阪市の区長は、東京都の区長などと違って行政区の区長であり、選挙などはない。ただ、大阪市では「区シティ・マネージャー」「区担当教育次長」という権限を付加する施策を数年前から取っており、かなり権限が増えている。区内の子育て支援や教育環境の充実をしながら、子どもの貧困対策やまちづくりにも関わることができる。

 責任は重い。

 倍率も高いだろうし、ここ数年の傾向を見ると民間人が区長や校長に合格する人数は減っている。おそらく、ダメだろうと思いながら、落ちた場合は退職する前提で挑戦を決めた。

生野区のマスコットキャラクター「いくみん」と。区長は、地域イベントでの挨拶や始球式、表彰の役目が多く、土日は区内を自転車で走り回っていることも
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