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わが子が突然の不登校 原因と対策は?

子育て・教育

わが子が突然の不登校 原因と対策は?

【不登校の悩み】原因は家庭の場合も。夫婦関係を見直そう/不登校になりやすいのは大人びた子/「引きずってでも連れていく」は正解かNGか

<蟇田薫さんの回答>

どの子も「明日は行こう」と思っている

A. 不登校の子どもたちは皆、心の中で「明日は行こう」と思っています。

 親も「明日こそ行ってくれるだろう」と思っているでしょう。でも、朝になると行けません。学校が怖くなったり、不安になる気持ちがあるのですね。そんな気持ちを拭えるようになるためには、ゆっくり話を聞いてあげることです。

 学校に行かないことに触れないように、と思う必要はありません。「○○くんは、学校に行けないくらいつらいんだね。ママもその気持ちが知りたいから一緒に考えてみようか」と語りかけてあげてください。

 ここで注意していただきたいのは、原因をすぐに突き止めようとしないことです。いつもバリバリ働いているママ・パパは、子どもと話をすれば、すぐに原因が解明できて、解決法も分かると思うかもしれません。でも、相手は7つ、8つの子どもです。まだ大人のように気持ちを言葉に表すことはできません。自分でもはっきりとした原因など分からないのです。ですから、「どうして学校に行かないの?」と聞いても「分からない」と言うだけでしょう。

 子どもは非言語の状況を理解するのが得意です。親が「今日も学校に行かないのか」とがっかりしたり「この先どうなるのだろう」と心配したりしていることも態度や表情で察しています。親が「どうして行かないの!」と責めなくても、親の気持ちは分かっているのです。そんな中でも、子どもが何でも言える状況にしていくことが大事です。

子どもの言葉は柔らかく受け止めよう。語尾は伸ばして

 そして、子どもの言葉は柔らかく受け止めてあげてください。子どもが何か言ったら、「それはあなたがこうしたらよかったんじゃないの?」などと打ち返さないようにしましょう。仕事のときは、どんどん舞い込む案件をバンバン打ち返しているかもしれませんが、子どもが相手のときには、「そうだったんだねぇ」と両手でふんわりと受け止めることが、わが子の気持ちを理解する第一歩です。

 お風呂に入っているとき、甘いものを食べているときなど、親も子どもも気持ちがほぐれる瞬間があると思います。そんな時間を見つけて、子どもと話してみましょう。会話の時間を確保するためなら、家事は少しくらい手抜きしてもいいと思いますよ。話し相手はママ・パパでなくても構いません。周囲に子どもが心を開ける大人はいませんか? おじさんやおばさん、おじいさん、おばあさんにお願いしてみてもよいと思います。

 子どもが不登校になって、親の心が一番乱れるのが朝の時間だと思います。親は今日も会議や打ち合わせがあって出勤しないといけないのに、子どもはソファーから動けない。ママ・パパはイライラしてしまうでしょうね。「また行かないの?」と言ってしまうかもしれませんが、そのときにグッとこらえて、「今日は行けないんだねー――――」と行ってみてください。ポイントは「今日は」と、「今日」に限定することです。子どもの心に「明日は行けるかも」という希望が生まれます。そして「ねー――――」と語尾を5秒伸ばしてください。心の中で5秒数えることで、親の心も少し落ち着くはずです。

 語尾を伸ばすと、親の言葉には余韻が生まれます。ちょうど除夜の鐘が「ゴー――――ン」と長く静かに響くような感じです。すると子どもはその間に「ママは僕のことを心配しているな、どうしようかな、友達はどうしているかな。学校はどんな感じかな」と想像を始めます。この「想像」が大切です。子どもは家にいる間にたくさん想像をして、そして、「そろそろ外に行こうかな」と出て行けるようになるのです。

「引きずってでも連れていく」はもろ刃の剣

 「引きずってでも連れていく」ということもたまに聞きます。行きたいと思っているのだけど思い切りがつかないという段階のお子さんの場合、「引きずっていく」ことで、はずみがついて、学校に行けたという子もいます。何回か強引に連れていったことで、学校に戻れた子もいます。それで不登校が長期化せずに済んだということもあります。

 しかしこの手段には細心の注意が必要です。泣きじゃくっている子を無理やり連れていったら、心がポキンと折れてしまうかもしれません。そのときは「行けた」と思うかもしれませんが、気持ちを押し殺させているので、あとあとまで心に傷が残る可能性があります。

 もし、学校に連れていくのであれば、スモールステップで進めるのがいいと思います。まずは家の玄関を出るだけ。その次は親子で手をつないで、お互いのぬくもりを感じながら通学路に出てみる。徐々に学校に近づいていって、正門にタッチする。次の日は思い切って正門をくぐってみる。くぐれなければ、正門にタッチする日が続いてもよいのです。「正門まで来られてすごいね。今日はここまでにする? くぐってみる?」と子どもの意思を尊重してあげてください

 不登校の親御さんは本当に頑張っていると思います。子どもへのアプローチ法は色々あります。1人目はもちろん、2人目のお子さんでも、その子の子育ては初めてなのですから、アプローチ法が分からなくて当たり前。今日解決できなくても、自分も子どもも責めないでください。「この方法は合わなかったな。じゃ、次の手を今度の週末にやってみよう」というくらいの気持ちで子どもと接していただければと思います。

低学年で学校に行けなくなるのは大人びた子が多い
蟇田 薫(ひきた かおる)
氏名(しめい) 「認定NPO法人育て上げネット」若年支援事業部担当部長、産業カウンセラー。同NPO法人が運営する、ニート・ひきこもりの子をもつ親の会「結」の事業責任者・相談員。つまずいた若者たちの家族を支援し、子どもの自立のために今できること、生活の中から始められる具体的なことなどを、悩める保護者と共に考え、提案するコンサルティングを行っている。元不登校児への聞き取りや不登校家庭へのアドバイスも行っている。

(取材・文/日経DUAL編集部 福本千秋 イラスト/まつおりかこ イメージ画像/iStock)

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