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福原志保 「壊れた洗濯機」と言われた少女時代

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福原志保 「壊れた洗濯機」と言われた少女時代

【想像力で現代を生き抜く 子どもの「バカ」の育て方特集】(4)「バイオ×アート」世界の価値観を揺さぶるアーティストはどう育ったのか、「できない」理由と思い込みを洗い出す

 「エジソンだってスティーブ・ジョブズだって、最初はバカなやつだと笑われたはず」(東京大学の生田幸士教授)。世界を変えてきたのは、そんな「バカ」たち、いや「天才」たちだった――。

 他のことが目に入らないぐらい何かに夢中になれる人、常識とは違う判断や結論を持ってチャレンジする人を、日経DUALではポジティブな意味で「バカ」と定義しました。没頭する力や独創性、想像力、常識を覆す行動力こそが未来を生きる子どもに必要な「力」ではないのか。子どもの「バカ」を育てるために、今親ができることはあるのか、様々な角度から探っていきます。

 亡くなった人のDNAを木の細胞に保存して、その木を墓標の代わりにする、バーチャルアイドル「初音ミク」の“遺伝子”を持った心筋細胞をつくる――。人々の度肝を抜く発想で、世界を驚かせる数々のプロジェクトを手掛けてきたアーティストの福原志保さん。現在、世界的企業の最先端プロジェクトに関わりながら、小学生の子どもを育てる福原さんに、自身が育ってきた環境や日本と世界の違い、これからの子どもたちに必要な力、などについて聞きました。

【想像力で現代を生き抜く 子どもの「バカ」の育て方特集】
(1)社会を変えた天才は、みんな「バカ」だった
(2)長谷川眞理子 「バカ」は男が多くて女は少ない理由 
(3)子どもの「バカ」を育てるための5つのポイント
(4)福原志保 「壊れた洗濯機」と言われた少女時代 ←今回はココ
(5)僕が「そろばんオタク」で終わらなかったワケ
(6)カリスマ先生 「失敗目的」の経験が子どもを伸ばす
(7)成田緑夢 自分との「誓約書」で東京五輪を目指す

馬から抽出したDNAを鹿せんべいに塗った「馬鹿せんべい」

アーティストの福原志保さん(photograph by Martin Holtkamp)

 「『バカ』といえば、馬肉から抽出したDNAを『鹿せんべい』に塗って『馬鹿せんべい』を作るワークショップをしたことがあります」と福原さん。

 「単なるオヤジギャグですけど、バイオテクノロジーを賢く捉えるんじゃなくて、バカバカしいこととしてやってみたかったんです。結局、馬肉は脂身が強くて細胞を取り出すのが難しく、遺伝子がブチブチ切れてしまって思うようにいかなかった。人がやったことのないことは、かなりちゃんと準備していないとやっぱり難しい。色々大変でしたね」。福原さんはそう言いながら楽しそうに笑います。

 18歳から語学留学を目的にフランスへ。その後、英語を学ぶためにイギリスに渡ったところ、アートに興味が出て、イギリスでアートの大学に進みました。福原さんを一躍有名にしたのは、身内など亡くなった人のDNAを木の細胞内に保存して、墓標代わりに木を育てる「バイオプレゼンス」プロジェクト。その斬新な発想が評価され、英国科学技術芸術基金のパイオニア・アワードを受賞しました。

 バイオテクノロジーや遺伝子組み換えというテーマは、難解でデリケートな問題をはらんでいます。福原さんは「その木からりんごの実がなったら、おばあちゃんの遺伝子を持ったりんごをあなたは食べられますか」という言葉を世間に投げかけました。

 「私は科学者や技術者ではありません。こういう技術があるよね、こういう使い方もあるよね、と色々な角度から見せる。アートとは、トップダウンで何かを教えるものではありません。分かりやすい説明をするのではなく、ディスカッションにみんなが参加しやすくする。世界にある問いに対して、1つの答えを出すのが科学なら、1億くらいの答えを出すのがアートだと思います」

“福原は壊れた洗濯機” 扱いにくい子でした

 そんな福原さんは、どんな子ども時代を送ったのでしょうか。「小さいころから器用なタイプではなかったです。小学校では忘れ物とか失敗ばかりしてましたね。母親はそれに対して怒るというより『自分でなんとかしなさいね』と言っていました」。

 「大人に何かを『やれ』と言われても、自分の気が乗らないと動かない。世間から見れば、扱いにくい子だったと思います。低学年のときの担任の先生が『福原は“壊れた洗濯機”だな』と言ったんです。スイッチを押しても動かない。でも放置してると、突然すごいスピードで動き出して仕事を終える。母親はそれを聞いて『いい例えだわ』と笑ってました。私は何でも器用にできる子ではなかったですが、母親は『最後まで諦めないのがあなたの性格ね』みたいに常に褒めてくれてましたね。自分が認められている実感は常にありました」

<次のページからの内容>
・「子どものくせに」と言われたことはない
・夜中でも家族以外の誰かが家にいる
・父親の研究室で遊び、母親の実行力から学んだ
・テストは100点じゃないほうがいい理由
・世界で戦える「人間力」を持つ子どもを育てるには
・「扱いやすい子」は、大人になったら「使えない人間」?
・「一家に一台」ならぬ「一企業に一アーティスト」
次ページ ネットには“古い情報”しか載っていな...

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