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目黒虐待死 再発防止のため、私たち親にできること

子育て・教育

目黒虐待死 再発防止のため、私たち親にできること

【児童虐待ひとごとじゃない(2)】23区内では1人のケースワーカーが100件超の児童虐待ケースを抱えている

今年3月、東京都目黒区で船戸結愛(ゆあ)ちゃん(5歳)が亡くなりました。両親に虐待された末の死とみられています。義理の父親に続き実母も逮捕されており、結愛ちゃんが朝4時に起きてひらがなを勉強させられていたことや、モデルのような体型を保つために食事を満足に与えられていなかった事実が明らかになっています。

結愛ちゃんは今年1月に香川県から東京都目黒区に転居してきたそうです。虐待は香川県に住んでいたころから起きており、児童相談所(以下、児相)に保護されたこともありました。結愛ちゃんが両親にあてて書いたとされる手紙の悲しい内容が、警察により公開されたこともあり、子育て中の親はこの事件が気になっているでしょう。

どうしたら、このような事件を防げるのか。働く親にできることは――。都内の自治体で、管理職として児童福祉行政に携わった経験を持つ、日本大学准教授の鈴木秀洋さんを、日経DUAL連載でもおなじみの治部れんげさんがインタビューしました。

結愛ちゃんの件同様、命に関わる、ひどいケースは実際にはたくさんある

治部(以下、――) 鈴木さんは都内自治体の児童虐待のケースを扱う部署で管理職を務めた後、研究者に転身しました。行政組織のマネジメントのみならず、実際に数多くの要保護・要支援家庭を訪問した経験をお持ちです。結愛ちゃんの事件は、やはり、ひどい虐待のケースなのでしょうか。

鈴木さん(以下、敬称略) 私にとっても大変つらい出来事です。しかし、結愛ちゃんの事件は、決して特異なケースではありません。今回はお子さんが亡くなったことに加え、お子さん自身が両親に書いた手紙が公開されたために、世間から注目を集めています。

 しかし、亡くなる前に保護されたため報道されないだけで、結愛ちゃんの件と同じように命に関わる、ひどいケースは実際にはたくさんあります。今回はその氷山の一角がたまたま可視化されたにすぎません。児童福祉行政に携わる人、児童虐待の現場を知る人はおそらく、同じ意見だと思います。

―― そうなのですか…。私を含め、亡くなった結愛ちゃんと同じ年頃のお子さんを持つ親は「どうしてこんなひどいことができるのか。信じられない」と思っているのではないでしょうか。

鈴木 これまでの捜査で明らかになった事実から考えると、逮捕された父親は、「小学校入学前にひらがなを書けるようにしなければ」とか、「子どもが太ってはいけない」といったようなプレッシャーを感じていたのではないでしょうか。また、妻に野菜をたくさん使った料理を作れとか、おやつを手作りしろという指示もしていたようです。

 父親について「無職」、「義理」など分かりやすい原因を強調して報道されることに強い違和感を持ちます。いわゆる「ちゃんとした親」になろうとして同じような虐待に走ることは、決して珍しくありません。子どもに高い期待をかけ、母親にその責任を押し付けて、虐待に向かっていく。この構図は、高所得層・高学歴層か否か、実の親か否かにかかわらず当てはまります。

都内の自治体で、管理職として児童福祉行政に携わった経験を持つ、日本大学准教授の鈴木秀洋さん
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