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子育て・教育

オランダ 学校とは人生の楽しみ方を学び考える場所

“世界一子どもが幸せな国”から現地リポート(上)学校運営を担うアドバイザリー組織が機能するので、先生は生徒に向き合える

 日本では「学校の先生ほどキツい職場はない」。こうした話を耳にする人も多いのではないでしょうか。

 実際、今年の夏、「静岡県吉田町では来年度から夏休みを16日間程度に短縮する方向で検討している」というニュースがありました。夏休みを短縮することによって、授業日数を多く確保することができるというのが一つの理由。もう一つが「教員の長時間労働の解消」だというのです。吉田町の場合、2016年度の教職員の時間外勤務は、小学校で月平均57.6時間、中学校で90.1時間。確かに、これは相当多いですよね。昨今、日本では働き方改革と称して、残業時間の削減などに励む企業が多い中、先生たちの残業時間の多さは、やはり過酷な現場の一つの証拠にも見えます。

 さて前置きが少し長くなりましたが、今回は筆者の住むオランダの教育事情、子育て環境をお伝えします。ご存じの方も多いと思いますが、オランダは「世界一子どもが幸せな国」と言われています。実際はどうなのでしょうか。今年の9月から現地公立校のイエナプランスクールに通い始めた子どもたちの経験を通して見るオランダと日本の違いはどこにあるのか? 少し考えてみたいと思います。

先生たちの働き方も「ワークシェア」

学校の説明をしてくれるJaap校長。強面ですが、とっても生徒思い

 今年の9月。新学期になってから長男が通い始めたイエナプランの学校は、とにかく非常に雰囲気が良いのです。そこで気づいたのは、先生が「本当に楽しそうにしている」ということ。これは先生というより、もしかしたらオランダ人の特徴の一つかもしれません。とにかく「自分たちの人生を楽しむ」ということは大の得意だし、大好きなのがオランダ人。先生も例外ではありません。

 そもそも「家族や好きな人との時間を大切にし人生を楽しむため」に、ワークシェアが盛んになり、残業なんかほぼせず、休みも思いっきり取るのがオランダ流。「働き方改革をしなければならないので、残業をやめる」という発想ではありません。

 もちろんこれ、学校の先生も例外ではありません。長男の通う学校は人気の学校で、1クラス25人。これはオランダの学校としては多いほうに入ると思いますが、担任の先生は2人。週の前半と後半で先生が違います。時に、ここに補助の先生が入ることもあります。つまり先生もワークシェアをしているわけです

 ところが実はオランダでも先生は労働条件がキツく、割に合わない仕事という認識があり、あまり人気の職業ではありません。実際、現在は教師不足といわれていますし、10月の頭には、小学校の先生の賃上げ要求のストがあったりして、全国の小学校が一斉に休みになったりしました。

 とはいえ一保護者として接している限り、どの先生も熱心で、そもそも非常に楽しそうにしている印象が強いのです。昨シーズンまで長男は、オランダ語を専門に習う小学校に通っていたのですが、そこの先生たちも、学校のパーティーなどでは生徒たちをそっちのけでノリノリで踊っていたのが非常に印象に残っています。

 現在通っているイエナプラン校の校長先生のJaapは、「子どもたちが学校が楽しい、と思うことを一番大事にしている。だから例えば、先生と生徒が一緒に遊ぶことも重要視している。また自由な遊びの中でのルール作りや、そのルールを友達に教え合ったりすることを通して物事の説明ができるようになること、さらには、遊びを通してコミュニケーションの仕方を学ぶことを重視している」と言っています。「この学校では歌や演劇、アートそしてスポーツなども非常に大事にしている。これらはすべて大人になったときに、趣味とか余暇の過ごし方につながるから」とも話しています。「大人になったときに楽しめない人生なんて、悲しいですよね?」と。

 そう、つまり学校は「人生の楽しみ方を考える場所」といったような位置付けなのです。このあたり、根本的に日本の学校とは違うなあ、と感じます。

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