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本城慎之介 楽天副社長から風越学園設立、父の挑戦

【軽井沢風越学園理事長×副理事長インタビュー】(上) カリスマ先生の翌年のクラスは荒れる 必要なのは“子どもが自ら選ぶ”授業

 日本初のUWC加盟校となったISAK(長野県北佐久郡軽井沢町)に続き、2019年4月には、南佐久郡佐久穂町で、オランダで普及するイエナプラン教育を導入した日本初の小学校が開校予定。さらに2020年4月には軽井沢町で、インターネット通販大手・楽天創業の中心人物だった本城慎之介さんが理事長を務める幼小中一貫教育校「軽井沢風越学園(かざこしがくえん)」が開校する予定だ。自然豊かな環境の中、既存の概念を超えた学校づくりへの挑戦を応援する長野県の教育環境には、「子どもによりよい教育を」と願う意識の高い親から熱い視線が注がれている。

 「経営」「実践」「哲学」の第一線で、次世代を育成する“教育”に真摯に取り組んできた3人の出会いから構想が生まれた、軽井沢風越学園。「新しい普通をつくる」という目標を掲げ、約2年後の開校に向けて理想の学校の在り方を追求する本城慎之介さんと準備財団の副理事長の岩瀬直樹さん(東京学芸大学大学院准教授)に、学校設立の経緯や思い、理想の教育の在り方、さらに自身の子育てについて詳しく話を聞いた。全3回でお届けする。

【軽井沢風越学園理事長×副理事長インタビュー】
(上) 本城慎之介 楽天副社長から風越学園設立、父の挑戦 ←今回はココ
(中) 岩瀬直樹 いじめや固定的役割は異年齢教育で弱まる
(下) 学校の中でわが子だけが幸せになることはきっとない

(写真右)本城慎之介 軽井沢風越学園設立準備財団理事長。株式会社音別代表取締役。慶應義塾大学大学院在学中の1997年に三木谷浩史氏と共に楽天を創業し取締役副社長を務める。2002年に退任後、音別を設立し「教育」をテーマに活動を始める。横浜市立東山田中学校長、東京女学館理事を歴任。2009年から軽井沢町に生活拠点を移し、野外保育・信州型自然保育の運営と保育に関わる。2016年12月に軽井沢風越学園設立準備財団を設立し現職。中3、中2、小6、小4、年長の5児の父。

(写真左)岩瀬直樹 軽井沢風越学園設立準備財団副理事長。東京学芸大学卒業後、埼玉県4校の公立小学校教諭を22年間務め、学習者中心の授業・学級・学校づくりに取り組む。2008年度埼玉県優秀教員表彰。2015年に退職後、東京学芸大学大学院教育学研究科准教授に就任。専門は、学級経営論とファシリテーション。教師教育学会所属。大2、中3、小4の3児の父。著書に『せんせいのつくり方“これでいいのかな”と考えはじめた“わたし”へ』(旬報社)、『「最高のチーム」になる!クラスづくりの極意』(農文協)など。

20代での副社長経験 「人が育つには教育が大切」と知った

日経DUAL編集部(以下、――) 本城さんは楽天で副社長を経験し、その後独立。市立中学校の民間人校長や幼児教育現場の保育・運営にも関わりました。教育に関わる会社を設立し、活動を始めてから約15年。学校設立に至るまでの道のりについて、教えてください。

本城慎之介さん(以下、敬称略) 大学院生のときから楽天の創業メンバーとして働いていた20代前半は、実はあまり教育に興味・関心がなく、教師というのも夢ではなかったんです。学校で働くとか、子どもに関わるというのは、僕の中では想定していませんでした。会社の経営に関わるという形で20代後半をずっと過ごしてきた中で、「最初の2人だったから」ということで、副社長というポジションが降ってきました。ところが“組織のマネジメント”をやらなければいけなかったときに、なかなかうまくいかず、「どうやったらしっかりマネジメントをやっていけるんだろう」と思うことがありました。

 そのとき、経営者の役割は、次の社長を育てるとか、働いてくれる社員の方たちがより良く生きられるための環境を整えていくということだなと気づき、とても面白く感じました。「人が育っていく環境を整えていくことを社会に置き換えると、それは学校だな。教育なんだな」と思い、楽天を辞めるタイミングで「“学校”をつくってみたいな」と思いました。

―― 急速に成長する企業のマネジメントを経験し、試行錯誤をした中で、マネジメントの原点は「教育」だというところに行き着いたのですね。学校をつくるというのは、大きな夢です。

本城 学校をつくるのって、難しそうですし、長く時間もかかりそう。でもすごく面白そう。チャレンジをするかいがあるし、若いうちしかできないなと思ったんですね。まだブログにも残っていますが、30歳で会社を辞めるタイミングで「学校をつくります」と宣言して教育の道に入ったんです。ただ宣言したのはいいけれど、学校で働いた経験もなければ、教員免許も持っておらず、どうしていいか分からなかった。それで、色々な人を頼って学校見学をさせてもらったり、教育関係の会社で顧問として勉強させてもらったり。そうこうしているうちに、横浜市が新設校をつくり民間人校長を募集していると聞いて、公募で採用していただきました。

―― 「学校をつくる」夢への第一歩として、2年間、公立中学校の校長として現場を経験しました。

本城  公立の学校で学んでいる子どもたちの数は、私立で学ぶ子よりも圧倒的に多いわけです。「たくさんの子どもたちが学んでいる公立の学校というところが、今どういうふうな状況にあるのか。どういうふうに先生たちは働いているのか、頑張っているのかということを一度知りたい」と考えました。そのうえで「自分には何ができるのか」というチャレンジができた経験でした。「自分には何ができるのか」ということを模索する中で、民間人校長を務めた後は“仕事の学校”という、キャリア教育活動をしていたのですが、やっぱり学校をつくりたいという思いがずっとありました。つくるんだったら全寮制の中高一貫校、リーダーシップを育てるいわゆる「エリート養成校」をつくりたいと思っていたんですね。そのための方法や場所を考える中で、たぶん全寮制の中高一貫校だと、東京から新幹線で1時間くらい。そういう場所が親にとっても、子どもにとってもちょうどいい距離なんじゃないかと。

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