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小島慶子 この社会で、女でいるということの難儀

子育て・教育

小島慶子 この社会で、女でいるということの難儀

セクシズム、ルッキズム、エイジズムにさらされ続ける現実がある

 吹き荒れるセクハラスキャンダルの嵐のあおりをくって、家庭の中にも隙間風が吹いていないだろうか。何気なく言った一言に妻や娘が「それ、セクハラだよ!」なんて反応するようになって、窮屈な思いをしている男性もいるだろう。でも靴と同じで、最初はきついけどそのうち慣れる。慣れてしまえば歩くのになんの苦もなくなるのだから、「#MeToo 反対!」とか、不毛な行動に出ないでほしい。

息子になんてことしてくれるんだ!

 以前、こんなことがあった。次男が小学生だったころ、仲のいい女の子ができた。クラスで公認のカップルだ。集合写真を見せながら次男がそのことを夫に告げると、夫はこう言った。

 「そうか、さすがだなあ。その子はクラスで一番可愛いと、パパは最初に写真を見たときから思っていたんだよ」

 次男はキョトンとしている。私はサイレンを鳴らしながら全速力で出動し、すぐさま警告した。

 「ちょっと!なんで息子のガールフレンドについての最初のコメントが外見についてなのよ? 集合写真見てどの子が可愛いか品定めするのは最悪だからやめてくれない?」

 夫は、息子のモテぶりを褒めたのに何がいけないの? と心外そうだ。

 緊急出動の理由はこうだ。夫の言葉には、“一番モテそうな女子をゲットする男が偉い”という価値観が滲んでいる。その前提になっているのは“一番可愛い子が一番価値がある”という思い込みだ。写真を見て、女子の容貌をすぐさまチェックし、ははあ、定めしこの子がクラスのアイドルだな、などと値踏みしていたとは実に浅ましい。

 まあ、目は意識よりも先に動くから、顔立ちの整った子に目が行くのは仕方ないとしても、それをもってクラスの女子を格付けし、あろうことか、彼女ができた息子を祝福するときに「一番可愛い女子をゲットするなんてお前さすがだな」的なコメントをするのは愚の骨頂。大事な息子にいきなりルッキズムとセクシズムを仕込むとは、なんてことしてくれるんだアホ

 私の怒りは、しかし伝わらない。夫に限らず、こういうときの大抵の男性の反応は「なんで褒めたのに怒るの?」なのである。

夫と二人で近所のビーチへ。海に浸かってデトックスする妻と浜をぶらつく夫。水はどこまでも澄んでいます
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