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矢沢心 3回目の妊娠、そして出産へ

矢沢心さんと魔裟斗さん夫妻の4年に及ぶ不妊治療の記録。諦めずにトライし続けて、ようやく手に入れた宝物

「心は今、大事な仕事の真っ最中でしょ」

 そうして1周期お休みした後、2度目の転院後、2回目の体外受精にトライしました。

 今度も無事に着床しましたが、私はもう「これは通過点にすぎない」と思っていました。枯死卵、流産を経験して、たとえ着床しても赤ちゃんが育たないこともあると、身に染みて分かっていたから。「今回ももしかしたら…」という考えが、いつも頭の片隅にありました。

 「胎嚢が確認できた」「心拍も確認できた」と一つひとつステップをクリアしていき、つわりが始まりました。かなり重いつわりで、妊娠6カ月の終わりくらいまで、トイレとお風呂、歯磨き以外はベッドで過ごすようになりました。

 不器用な性格なのか、中途半端で済ますことができず、あれもこれもやらなくちゃ気が済まない私は、それまでのんびりしたことなんてなかったので、夫からも夫の家族からも、実家の家族からも「安静にして」としっかりくぎを刺されました。

 それでも、何もしないでいると不安が襲ってきて、やめたはずの日記を書きたくなるときがありました。そんなときは、流産のときに夫が言ってくれた言葉を思い出しました。

 それは、やっぱりつわりで体がだるくて、仕事もあまりできず、寝てばかりいることを夫に話したときのことでした。「もっとちゃんとしなくちゃいけないよね」と言うと、夫は私が考えてもいなかった言葉を返してくれたのです。

 「何言ってんの? 心は今、大事な仕事の真っ最中でしょ

 この言葉が、どんなにうれしかったか。そうだ、私が自分の体を大切にすることが、赤ちゃんを育てることにつながる。そして、夫を幸せにすることにもつながっているんだ。そう思いました。

 だから、今はのんびりしているのが仕事。そう思い直して、本を読んだり、好きなDVDを観たり、思い切りダラダラして過ごしました(笑)。

 掃除や洗濯、食事作りは夫ができる限りやってくれ、仕事でできないときは、義母や実母が助けてくれました。

 つわり中、食べられるのはカステラとクッキーくらいで、おなかの赤ちゃんへの栄養が足りないのではと心配でしたが、実母が「カステラには牛乳も卵も小麦粉も入っているから大丈夫!」と言ってくれたので、「そうか、そうだよね」と思えて、心強かったです(笑)。

 つわりが終わったときは、「また一つステップを上った」と思いました。でも、その後も私はできるだけのんびり過ごすようにしました。ゆっくり家事をしたり、犬の散歩をしたり、本を読んだり。そうやって、出産までおなかの赤ちゃんを大切に守っていこうと心に決めていました。

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矢沢心と魔裟斗の「諦めない不妊治療」

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