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「刑事として終わったな」家族のために下した決断

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「刑事として終わったな」家族のために下した決断

仕事には誇り、家庭には愛を注ぐパパ警察官を“元警官”の日経DUAL編集者が訪ね歩く。神奈川県警泉警察署の草薙誠巡査部長インタビュー後編

 警察官と言えば、今も昔も子どもたちが将来なりたい職業の定番ですが、かつては長時間労働など、共働き育児が容易な働き方とは言えませんでした。しかし、時代の変化とともに警察官の仕事や環境も変わりつつあります。

 前回に引き続き、“元お巡りさん”の日経DUALの編集者が神奈川県警泉警察署の留置管理課で勤務する草薙誠巡査部長にインタビューしました。後編をお送りします。

「言わなくても分かっているよな」というおごり

草薙誠巡査部長。泉警察署前にて

日経DUAL編集部 田中裕康(以下、――) 前回、草薙さんが刑事課で多忙な日々を送る傍ら、同じ警察官の奥様がほぼ“ワンオペ状態”で育児をされていたというお話を聞きました。離婚危機にも陥ったということですが、当時はどんな状況だったのでしょうか?

草薙誠巡査部長(以下、敬称略) 刑事って、多忙であることをどこか誇りにしている面もあって、「子どもの顔は寝顔しか見てない」「運動会も授業参観も行ったことがない」といったことをどこか自慢げに話す人もいます。でも、振り返るとそういう人の奥さんは専業主婦だったりするんですよね。もちろん専業主婦だからといって、育児をすべて奥さん任せにするのがいいとは思いませんが、うちは共働き、それも警察官ですからね。そのことを私は考えていなかった、あるいは考えようとしていなかったのだと思います。

 ましてやうちの妻は刑事課に所属していたので、「刑事が家に帰れないことは知っているだろう」という、おごりのようなものがあったんだと思います。言わなくても分かっているよな、と。でも、それとこれとは話が違うんですよね。刑事の仕事が忙しいからといって、共働き家庭で夫だけが育児をしなくていい理由にはならない。

―― 当時は奥様とけんかとかもされたんですか。

草薙 それはもう、しょっちゅうですね。お互い大きな声を出したり、泣いたり。

 あるとき、誘拐容疑事件が起きて、3日くらい家に帰れなかったことがあったんですね。それで3日目に、さすがに着替えくらいは取りに行こうと家に帰ったら、妻から「あなたの仕事って、何なの」と言われたんです。私、返す言葉がなくて、何も言えずに着替えだけ持って警察署に帰ったんです。

―― 署に帰る、という表現もすごいですね…。あまりに家に帰れなくて、警察署のほうが帰る場所になってしまっていたんですね。奥様のその言葉の真意は何だったんでしょう?

草薙 私の仕事が何なのか、それは同じ刑事でもあった妻は誰よりも分かっているはずです。そのうえでそう言ったということは、忙しいのはあなただけじゃないんだよ、というメッセージをその一言に込めたんじゃないかと。私が一人でこんなに家事や育児をやっているのに、感謝の気持ちとかねぎらいの言葉とか、何かないの、ということもあったと思います。もうどうしたらいいのかなという状況でした。離婚を覚悟しなくちゃいけないかもしれないけど、それだけは嫌だな、なんとか避けたいなと。

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