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仲道郁代 厳しさを乗り越えて見える景色もある

子育て・教育

仲道郁代 厳しさを乗り越えて見える景色もある

ピアニストの仲道郁代さん(下)「ピアノ、子どもが早い時期に好きじゃないと決め付けるのはもったいないですよ」

小学6年生にワークショップ

 それから仲道さんは、七ヶ浜町の小学6年生の各クラスに対して、ワークショップを開いています。2012年から毎年、秋に4泊5日の滞在。震災の基金から助成がありますが、スタッフの経費・交通費や宿泊費がかかるので、仲道さんのボランティアです。

 「子どもたちに触れると、深い傷を負ったであろう言葉もありました。心の中にある、たぶん一生消えることのない傷とどう向き合うか。そんなときに音楽が力になればうれしい」

 震災からの復興を意識して、テーマを決めています。1年目は「未来の七ヶ浜」。どうなってほしいか話し合って音楽を作りました。震災のときに連絡が取れなかった経験から「通信状況のよい街」というアイデアも。2年目は「生きる」という谷川俊太郎さんの詩をテーマにしたワークショップです。

 最近は、音楽を聴いて感想を話すワークもしており、「お父さん・お母さんがいなくなって独りぼっち」という話や、音楽を色にイメ―ジすると「白」「誰もいない」「天国みたいに透明」といった言葉が出るそうです。

 「家族を亡くしたり、家や仕事をなくしたり。親が働きに出なければならなくなり、環境が変わって子どもたちの心に影響が出ているようです。今の小学1年生ぐらいの子も、赤ちゃんのときだから分からないということはなく、周囲の不安定さの影響を受けていると聞きました

 仲道さんはこう考えています。「音楽によって自分が思っていることを話し、あなたが感じていることは大事だよと周りが肯定してあげる。それによって自己肯定につながります。他人の考えも知り、思いやり合う。共同作業をして違いを見いしたり、作曲家の考えを想像してみたり。クラシック音楽は、すべてのアンテナを立てて受けるものだから、様々な思いを受け止められます

 滞在中の夜には「セブンハマーズプロジェクト」と名付けてピアノの発表会を開きます。大人も子どもも参加できて、仲道さんからワンポイントアドバイス。毎年、3時間以上も盛り上がります。このワークは6年計画だったのですが、町から要請があり続ける予定です。「まだ防潮堤も完成していませんし、公園もできていない。仮設住宅も残っていて景観は変わったままです」と仲道さんは話します。

仲道さんが宮城県七ヶ浜町の小学6年生向けに開催しているワークショップの様子
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