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病気で不自由、高齢者の気持ちが分かるように

「介護体操」を広める板橋雅子さん(上) スポーツ万能…病気を経て高齢者の指導へ

 人生100年と言われる時代、元気に過ごせる時間を増やすための体操が注目されています。介護予防の運動を指導する板橋雅子さん(53)は、スポーツクラブで活躍していたころ、病気になって手術を経験。思うように動けなくなり、高齢者向けの健康体操を始めました。母の介護も経て、キャリアを重ねた板橋さん。今は「長谷工シニアホールディングス」の高齢者住宅などで体操を指導、たくさんの人に元気を届けています。

ロボットと一緒に体操

 東京都港区の「白金台いきいきプラザ」で10月の水曜日、高齢者向けの体操教室が開かれました。指導するのは、長谷工シニアホールディングスの板橋雅子さん(53)。上履きを出し、血圧を測る参加者に「自分で靴が履けるってすごいことなんですよ」「脈が速いと何が良くないと思いますか?」と声をかけていました。

 コミュニケーションロボットの「ペッパー」も一緒です。ペッパー用のアプリ(長谷工アネシスが開発)には、板橋さんが作り上げた介護予防の「ゆうゆう体操」が組み込まれています。お手本の映像がロボットの胸に映し出され、手を動かして見せてくれます。

 ロボットが話しかけてくると、参加者は笑顔に。「豊かな生活って何ですか? したいことができる生活です。やりたいことにつながるのがこの体操です」「動かないなとか、動かしたら軽くなったなあとか、意識して動くと脳にいいんですよ」。こうした板橋さんの前向きな言葉に元気づけられ、1時間ぐらい無理なく体を動かしました。

いたばしまさこ 東京女子体育短大卒。大手スポーツクラブに入社、エアロビクスやアクアビクス、マシントレーニングなど20年以上にわたって指導する。母の介護のため退職後、高齢者住宅の運営をする「生活科学運営」に入社。 現在は「長谷工シニアホールディングス」所属、介護予防運動を高齢者に指導している。

スポーツクラブに入社

 板橋さんは、もともと運動が得意でした。群馬県出身で、東京女子体育短大に進みました。「中学の体育の先生になりたかったのですが、空きがありませんでした。スポーツクラブに入社した同級生に誘われて、仕事を手伝うようになりました」。マシントレーニング、エアロビクスの指導のほか、年配のクラスや子どもスイミングの受付もしました。

 「アルバイトで2年働き、入社を誘われ、ブレザーとスカートを買いに行って面接を受けました」。1987年、正社員に。好況だった時代。正社員になって2年目、人生最高のボーナスをもらいました。27歳のとき父ががんで亡くなりました。仕事が忙しくて看病はできませんでした。

 転勤して京都に住んでいた30代のころ。卵巣嚢腫が分かりました。開腹手術をして2週間入院。「自分は80歳までレオタードで踊っていると思っていたのに、声も出せず踏ん張れず、トイレにも行けない。洗濯物を扱うのも大変だし、花火のドーンという音もおなかに響きました」

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