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夫の仕事で地方移住、出産 「幸せな不自由」を得て

(上)“自分を生かすフィールド”から去ることはとても心細く切ないもの。子育てに徐々に順応しても、モヤモヤは残り…

“幸せな不自由”を得てみて

 さまざまな葛藤はあるものの、夫がいて子どもがいるという幸福感は何物にも変えがたいことです。仕事人間だと暗示をかけていたのは私自身。家庭をもつことがこんなに幸せなことだとは! それに「あれ、私って案外家庭的だったりする?」なんて、娘とクッキーを焼きながら自分の意外な一面を発見したりします。

 “自由”とは好き勝手してもいいということではなく、責任のもと自分の意思で選択できることをそう呼ぶならば、私は家庭をもつことで“幸せな不自由”を得たのだと思います。特に子どもがいると自分の意思だけでは決められないことがたくさんあります。

 一般的には義理の実家との付き合いも“妻の不自由”の一つとされていますが、この点において私は恵まれました。特に義理の姉には先輩ママとして全面的なサポートを受け、孤独な育児でくじけそうなとき何度も救ってもらいました。ただ、義実家に帰った夫は“息子”に戻ってしまうのも事実です。

 そして子どもに恵まれたことで得た大きな財産。それが“ママ友”です。大人になってからここまで時間と感情を共有できる友達をつくるのは難しいのではないでしょうか。新潟が地元のママ友、転勤族仲間のママ、それぞれいつか離れ離れになっても長い付き合いになると思っています。

 ただ、家庭をもつことで“幸せな不自由”を手にすると分かっていたら、独身時代の過ごし方をもっと質の高いものにできたかもしれません。例えば学びの時間にあてたり、遠方の友人に会いに行ったり旅行をして見聞を広げたりするなど。もうちょっと節制してたんまり貯金もしておけばよかった、なんて。

「あれ、私って案外家庭的だったりする?」と気づくことも

独身時代と家庭をもった今、どちらが幸せか?

 SNSで見かけるようなスタイリッシュなインテリアや洋服じゃなくても、ここが最先端の都内じゃなくても、時に泣いてぶつかりあっても、「幸せの尺度」がすっかり変わってしまった今の私には、答えは「言わずもがな」です。

 今、子どもたちの母親であり妻という唯一無二の存在になれたことのほうが心を安定させています。

 でも…、やはりモヤモヤする気持ちは心の中に残りました。そう、それは“働く”に関することでした。

母であり妻である今は幸せ。そう思っても、モヤモヤは残った
野澤 知子
コラムニスト
野澤知子独身時代は東京で人材業界、IT業界で営業と広報の経験を積む。その後、大手グルメサイト運営会社に広報担当者として転職。同社では新聞やテレビを始めとしたメディア対応の通常の仕事だけでなく、食の作り手を会社に呼んだり、現役秘書を集めて「手土産」について調査をしたり「広報」の新しい形を模索してきた。勤務中に5歳年下の現在の夫と出会い、2014年に結婚。夫の転勤と妊娠を機に退職し、見知らぬ土地の新潟へ移住。現在は3歳と1歳の姉妹の子育てをしながら個人事業主としてライター業や地元企業の広報業を行い、新潟の情報がうまく日本中に回る手伝いをしている。35歳。

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