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保育士は黒子 子が考え自ら行動する“見守る”保育

子育て・教育

国内はもちろん、シンガポールや韓国などアジアの教育に力を入れる国から「Mimamo-ru(みまも~る)」というキーワードで熱い視線が注がれる“見守る”保育。保育士と園は「黒子」として、子どもの成長段階に合わせて、意欲を持ちながら一人で行動できるように環境を整備。食事どき、1~2歳の子どもたちが誰に言われるでもなく、静かに順番を待った後で手を洗い、食事用エプロンをつけ、食卓に座るという、一種の魔法でも見るかのような子どもの意思と知性を感じさせる行動が見られる。今回は、全国500園以上に広がる“見守る”保育の発信地「新宿せいが子ども園」を訪れた。

1歳児でもランチの支度が自分でできる!

 お昼ごはんの時間が近づくと、まだヨチヨチ歩きの1歳児が、先生が何も言わずとも一人、また一人と食事用エプロンを持ってランチスペースへと向かってくる。トコトコと流し台に向かい手を洗う順番を並んで待ち、終わると食事用エプロンが置いてあるテーブルに来て自分のものを見つけ互いにエプロンをつけ合ったり、自分の力でつけたり、先生に頼んでみたり。準備が終わると、にこにこしながら自分の席へ向かい、さっと座る。

 3歳以上の幼児クラスの食事の準備では当たり前のことかもしれないが、1歳児クラスの場合、普通は先生が並ばせてまとめて手を洗わせたり、引率したりするのが一般的。これらの動きを大人の誘導もなく、どの子も落ち着いて自らこなすのは驚かされる光景である。しかし、この「新宿せいが子ども園」ではいつもこうなのだと藤森平司園長は話す。

食事用エプロンを自分でテーブルの上に置き、手を洗う順番を待つ列をつくる
お友達同士でつけ合うことも。言葉はまだ話せなくても、子ども同士協力し合いながら食事の準備を行う

 テーブルの上に置いてある食事用エプロンは、30~40枚ほど。似たような色や柄もあるが、子どもたちは器用にそれらを見分け、自分の物を選び取っていく。

 「子どもたちは、手を洗う前に自分の食事用エプロンを持ってきます。名前を読むことはもちろんできませんが、自分で置くのでどの子もお友達のエプロンと間違えることなく見つけられるんです。自分で身につけられる子は自分でつけたり、お友達とお互いに協力し合ってつけたり。保育士に『つけてほしい』と持ってきたときはつけてあげますが、そうでなければ保育士は“見守る”だけです

 国内はもちろん、シンガポールや韓国など教育に力を入れるアジア各国から多くの教育関係者が視察に来るこの園だが、1歳児のこうした光景を見て誰もが驚くと藤森園長は話す。

 この“見守る”という言葉は、近年保育のあり方において重要なキーワードになっている。“見守る保育”は、これまで取材で訪れた保育園で、何度も耳にした言葉だった。子どもたちの独自性や自主性を大事にしていこうという保育園の多くでその言葉を聞き、その保育の様子を見てきたが、保育士ではなく外から見た親の立場としては、まだ腑に落ちない部分があった。

 「見ているだけの保育なの?」「子どもたちがもめたらどこまで介入するのか?」「誘導や先導しなくてはいけない取り組みではどのように関わるのか?」「“見守る”と“放置する”の境界線は、あいまいにならないのか……」

 そんな疑問を抱えて、ついにその“見守る保育”の総本山ともいうべき子ども園に、今回は取材に訪れた。

「先生、つけて!」。話せなくても先生のところに来て差し出すのがサイン。先生はいつでも子どもが頼れるように見守り、要望を受けて初めて手を貸すようにしている 

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