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出会いがカギ どの子も天才になる可能性を秘めている

茂木健一郎さんに聞く地頭の良い子を育てるコツ(2)子どもをアウェーに出し、150人分と付き合える子に育てよう

人間の脳には150人の友だちと交流できるキャパがある

 イギリスのオックスフォード大学の学者で、認知・進化人類研究所所長のロビン・ダンバー氏は、友達やうまくいく仲間の数は150人までという説を唱えています。

 この数は、サルの群れの仲間同士が毛繕いをすることができる限界の数に由来します。

 サルは群れの仲間と毛繕いをして絆を保ちます。毛繕いは誰彼かまわず行っているわけではありません。気心の知れた同士が相互に定期的に行う行為であり、友情の証しです。仲間に毛繕いをしてもらったら、今度は自分が仲間の毛繕いをする。そのバランスシートが頭の中にあるわけです。サルもなかなか賢いですね。

 ダンバー氏は、サルの大脳新皮質の割合が大きくなればなるほど、毛繕いをする仲間が増えることから、脳の大きさと群れの大きさにはっきりとした比例関係があることに気づきました。そして、サルの脳の大きさから計算して、毛繕いができる仲間の数の限界は100頭という数字を導き出しました。

 それをヒトの大脳新皮質の大きさに当てはめると、われわれ人間は、150人分の他者とのバランスシートを管理して、良い関係をキープできるはずだということになるのです

 「お互い様」という言葉がある通り、人付き合いのコツは、世話をしたり、されたりしながら、フィフティー・フィフティーの関係を保つことです。これが一方に偏ってしまうと人間関係はうまくいかなくなってしまいます。そのバランスシートが150人分も頭の中にある人は、相当地頭がいいといえます。

 皆さんはどうでしょうか? 現在アクティブな関係の人は何人いますか? キャパシティーをどのくらい使っているか、ぜひ数えてみてください。

アウェーでの経験が、人間関係のスキルを磨く

 これからの子どもたちに大切なのは、150人と付き合えるキャパシティーをフル活用することです。大人になったときに、フィフティー・フィフティーの関係を保てる知り合いが150人いたら、まず食いっぱぐれません。まど・みちおさんが詞を書いた『いちねんせいになったら』という歌に「友だち100人できるかな」というフレーズがありますが、そのくらいの心がけがちょうどいいのです。

 では、150人とのバランスシートを保てる地頭を育てるにはどうしたらよいか。

 それには、小さいときから人間関係を広げてあげることです。ホームだけではなく、アウェーでの経験を豊富に持たせてあげましょう

 例えば、親の知り合いの家に遊びに行って、初めて会うその家の子どもと、どれだけ打ち解けられるでしょうか。いつもと違う公園に行ってみて、その公園に来ている子どもとどれぐらいうまくやれるでしょうか。

 自分の家と違って思い通りにならない場所、例えば親戚の家に子どもだけで行かせるのもいいでしょう。サマーキャンプに参加すれば、多様なパーソナリティーの人たちとふれあうことができます。

 保育園や幼稚園も格好のアウェーといえます。ですから僕は0歳から保育園に入れることには大賛成です。お父さん、お母さんの愛情が、子育てにおいて重要なのは確かです。しかし、家とは違う保育園のルールに沿って生活すること、友達と切磋琢磨して成長することは、人間関係のバランス感覚を確実に育ててくれます。

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