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出会いがカギ どの子も天才になる可能性を秘めている

茂木健一郎さんに聞く地頭の良い子を育てるコツ(2)子どもをアウェーに出し、150人分と付き合える子に育てよう

天才は遺伝しない。誰でも天才になる可能性を秘めている

 IQ=知能指数は50%くらいの遺伝要因があるといわれています。逆にいえば、50%は生まれた後の努力や学び方、環境によって変えられるということになります。

 そのせいもあって、「天才」は遺伝しません。天才は凡人である両親から生まれ、天才の子どもは凡人に帰っていくということが歴史的な事実です。

 世界の天才を例に見てみましょう。現代物理学の父アインシュタインの長男ハンスは科学者でしたが、父ほどの功績は残していません。アインシュタインの両親もごく普通の人でした。

 神童といわれたモーツァルトはどうか。父親は音楽家でしたが、歴史に残るレベルではなかった。長男カールは音楽の道を目指していましたが、途中で断念した後、父の名声に貢献することに人生を捧げています。

 では、なぜ普通の親からアインシュタインやモーツァルトといった天才が生まれたのか。 それは、彼らを取り巻くネットワークに関連します。生まれ持ったIQに時代背景や人との出会いが加わり、何に感動し、何を勉強したのかなど、その子を囲む様々なネットワークが作用して、天才が生まれるのです

 そのネットワークは、オンリーワンのものです。天才の家だからといって特別ではありませんから、そんな奇跡のネットワークが、天才の子どもにもたらされる確率はとても低い。だからアインシュタインやモーツァルトの子どもたちは天才にはならなかったのです。

 ですから、読者の皆さんが「私は凡人だから、わが家から天才は生まれない」と思っていたら大間違いです。天才になるかどうかは、子どもを取り巻くネットワーク次第。奇跡の出会いがあれば、どの子も天才になる可能性があるといえるのです

子どものパーソナリティーは、出会った人によって作られる

 子どもが、親といるときと保育園にいるときでは、全然違うキャラクターでいることに驚いたことはありませんか? 子どもの人格はそうやっていろいろな環境の影響を受け、その時々の環境に合わせながら作られていきます。

 子どもがたくさんの人に出会い、周りに色々な人がいることは、その子の人格を形成するうえでとても大切です。学校の先生、友達、上級生、下級生、近所の人、親戚、本やネットの中で出会った人など、親以外の人から影響をたくさん受けた子は、地頭の良い子に育ちます。理想は親の影響がゼロに近いことです。わが子が親よりも周囲の人に影響を受けていたら、それは親にとっての誇りなのです。

 前回、親が子どもの安全基地になって、リスクテイクできる子に育ててくださいとお話ししました。子どもがたくさんの人と出会えたら、それはリスクテイクできた証拠です。親も子どもの安全基地として立派に務めを果たしたことになります。

 そして、もし、そのなかに奇跡の出会いがあるとしたら……。

 どの子も天才になる可能性を秘めている! だからこそ、子どもにはたくさんの出会いを経験させてほしいのです。

 次回は、親の想像を超え、時代の先を行く子どもたちについてお話しします。

(文/小山まゆみ、取材・構成/日経DUAL編集部 福本千秋、撮影/鈴木愛子)

茂木健一郎

茂木健一郎

1962年東京生まれ。東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻課程修了。理学博士。脳科学者。理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て、現在はソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。著書に「5歳までにやっておきたい 本当にかしこい脳の育て方」(日本実業出版社)ほか多数。

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茂木健一郎さんに聞く地頭の良い子を育てるコツ

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