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働くママが開発した「アソボ~ノ!」への想い

東京ドームの岩瀬奈穂さん。5歳時から英語オンリーの民間学童を利用

とにかく家族優先! その理由は結婚前に……

――ご結婚は何歳の頃でしたでしょうか?

岩瀬 29歳です。2003年当時、開発をメンバーの一員として担当していた「ラクーア」(アトラクションや天然温泉のスパもある、融合商業施設)が5月に無事オープンして仕事が落ち着いたこともあり、自然な流れで結婚を意識するようになりました。でも、会社を辞めるというイメージはまったくありませんでした。OL目線で「OLがとことん楽しめる施設を」ととことん考えてラクーアの開発に携わった。「さあ、次は何しよう?」という感じでした。

 手前味噌ですが、東京ドームは自分が何歳になっても顧客ターゲットになり得るという面白い会社なんです。ベビーが遊べる「アソボ~ノ!」(子ども向け屋内遊戯施設)に始まり、ヒーローショーや各種アトラクション、ラクーア、そして野球観戦と、年を重ね、ライフステージが変化するに従って、新しい目線で商品・サービス開発を手掛けたり、提供したりすることができる。仕事の幅は無限に広がります。

 ただ、自分の中ではラクーアの開発時の心残りがあったんです。事業運営の知識が足りず、収支などの難しい部分はすべて先輩たちに任せて、女性目線で率直に欲しいものを提案していた気がした。

 その思いを解消すべく、「会社員としてもうワンステップ上に行く」ために、MBA取得を目指し、グロービス経営大学院に通い始めました。結婚したら、すぐ子どもを産むという計画で、「産休・育休中にMBAを取って職場復帰すればいいかな」なんて考えていたのですが、いざ、結婚してみたら、なかなか子どもを授かることができなかったんです。

――出産時期は思い通りにはいかないものですよね。

岩瀬 だからこそ、妊娠したときは「子どもって本当に“授かりもの”なんだ」と強く思ったんです。「仕事を続けても、家族を優先しよう」と自然に思えた。仕事か子どもかを選ばなくてはいけない時が来たら、迷わず子どもを選ぼう。そう決めていたので、育休も丸々1年取りましたし、復帰後も時短勤務を選びました。

“時短勤務”でも“やりがいのある仕事”はできる

――時短勤務をしながらアソボ~ノ!を開発したのは、同じワーママとしてスゴイと思います。一体、どうやって育児と仕事を両立していたんですか?

岩瀬 時短制度を利用しているので、現在の勤務は午前9時から午後4時半まで。でも、アソボ~ノ!の開発で最も忙しいときは、早朝出勤をすることもありました。私用メルアドや携帯電話番号を公開し、帰宅後も当然のように仕事の連絡を取り合いました。

 私が帰った後も現場は動いているので「計画をチェックしてほしい」といったことがあり、それらにはしっかり対応しなければなりません。取引先企業も「こういう施設を作りたい!」という熱い思いを持って協力してくれている。その想いを決してムダにはできない。なので、家事や育児を義理の両親や夫にお願いしたり、岡山から実家の両親に来てもらったりして乗り切りました。

 息子を寝かしつけた後に仕事をしたり、朝4時に起きたりしたこともよくありました。ただ、そんな忙しさはオープン前の数カ月限定。開発の仕事は時期によって波があり、また私はとてもメンバーに恵まれていたこともあって、繁忙期を乗り越える態勢を整えることでなんとかなりました。本当に、職場のメンバー、取引先、そして家族(祖父母も含む)には感謝しています。

――アソボ~ノ!を提案した経緯を教えてください。

岩瀬 復帰後すぐに「キッズ担当」になったのが最も大きなきっかけです。でも、担当になった時点で、既に下準備はできていた感じもします。というのも、産休・育休中に児童館やキッズ向け施設に行って息子と遊んでいるときも、開発者目線で色々とチェックしてしまっていましたから。無意識ですが(笑)。

 例えば、プライベートでハワイに1カ月滞在していたときは、「ホテルなどの内装が素敵な場所で過ごしていると、親はついわが子の写真を撮りたくなること」に気付きました。「その場のスタッフから自分の子どもが『かわいい』と言われると無性にうれしくなる心理」や、「親が写真を撮りたくなるような、親のテンションを上げる施設では、また子どもとここに来たいと感じる」ことも知りました。こういった経験がそのまま、アソボ~ノ!の開発に生きました。

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