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「朝の子ども」から見える社会や家庭の現実

子育て・教育

「朝の子ども」から見える社会や家庭の現実

家庭の「しんどい時代」に小学校ができること

 「子どもたちは、校長先生の笑顔で一日が始まります」と、研修でOB校長に教えられた。毎朝、その言葉を胸に門に立つ。もう1人、私の配属先、大阪市立敷津小学校の門の前には、毎朝お手製のメッセージカードを持って立つ「笑顔の人」がいる。ボードは日替わりだ。書いてある言葉を並べてみよう。

 「あさごはん、何食べた?」
 「夕べ、何時に寝た?」
 「ハンカチ、ティッシュは持ってる?」

 ベテラン養護教諭である岡部眞味(おかべ・まみ)先生の「おはようございます!」が響き、子どもたちの何人かは足を止めてカードをのぞきこむ。

 「今日はパン食べてきた」という子もいれば、 「何も食べてない」という子もいる。 「昨日、寝たの12時やねん」と、しんどそうな子にはいたわりの言葉をかける。

 できている子を褒める。決して叱ったり、強い指導をしたりはしない。

 「朝ごはん、今日は食べてきたんやね、よかったぁ」
 「元気なあいさつ、ステキ!」

 照れながらも、小学生たちはうれしげな足取りで校舎に向かっていく。

 敷津小の合言葉は「小さな学校★大きな家族 チーム敷津」だ。家族の健康を心配するように、門に立ってくれている「保健室の先生」。校長として、そして1人の母親として、話を聴いてみた。

「家庭のしんどい時代」に小学校ができること

――いつから朝、校門に立つようになったんですか?

 「平成21年に、新型インフルエンザが流行し始めた時です。あの当時はどんな重い症状になるか、ただ不安でした。それで、自分にできることは何かないかと、校門で児童の登校の様子を見守ることにしました」

――通勤の方にもどんどんあいさつされますよね。

 「最初は抵抗があったんですが、一緒に立っている当時の校長先生が通勤の方や、近所の市場の方にもあいさつをされるんですよね。一日が明るいあいさつで始まるって、いいな、と。子どもたちにもその快感を知ってほしくて、立っています」

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