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育休ノイローゼを乗り越えて

「両立できる自信」なんて誰にもない

 夫婦がともに働き、子育てするのが当たり前の社会になって、私たちの働き方や組織はどう変わるのか。ワーク・ライフ・バランス研究の第一人者で、東レ経営研究所ダイバーシティ&ワークライフバランス研究部長の渥美由喜さんが解説します。今回も前回に続き、渥美さんと日経DUAL編集長の羽生祥子が仕事と育児について熱く語りました。

羽生 私は第1子の育休中に「仕事を辞めたい」と、自宅のパソコンで部長宛てにめそめそメールを書いたことがありました。私は記者という仕事が大好きで、子どもが生まれる前は残業も徹夜も全く苦にならなかった。でも、子どもを産んでみたらかわいくてかわいくて。「赤ちゃんと一緒にいてこんなにも幸せな時間があるのに、どうしてわざわざ人に預けてまで仕事をしなきゃいけないんだろう」という気分になったんです。

渥美 羽生さんがですか? 意外ですね~。でも気持ちは分かります。僕の妻も仕事大好き人間で、結婚前から「私は夫に依存するような生き方はしたくない。だから働き続けます」という価値観の持ち主でした。それが育休取得中に「子どもと一緒にいられるのはほんの数年。仕事辞めようかな」と言っていましたから。

いとも簡単に「育児ノイローゼ」になってしまった

羽生 実は私、育休ノイローゼにもなりまして。というのも、育休前は取材で毎日いろいろな人に会って話を聞き、新しい情報をどんどんインプットしてという刺激の多い日々を送っていたのが、出産後全く人に会わなくなり、家で乳児と向き合うだけ。「とにかく大人としゃべりたい!」と毎日思って暮らしていました。宅配便のお兄さんが家に来るのが、待ち遠しかったほどです。

渥美 えっ?

渥美 由喜

渥美 由喜

東レ経営研究所ダイバーシティ&ワークライフバランス研究部長。東京大学卒業後、富士総合研究所、富士通総研を経て、2009年から現職。これまでに国内700社、海外100社を訪問しヒヤリング調査を行ってきた。コンサルタントとしても活躍する。専門は少子化対策、ワークライフバランス、ダイバーシティ推進、社会保障制度。著書に『イクメンで行こう!』(日本経済新聞出版社)など。私生活でも2回育児休業を取得、現在は子育てとともに父親の介護も担う。

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