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生活・家事

子育てにも適した集合住宅、日本でも普及のきざし

北欧生まれのコレクティブハウス、日本での10年(2)

 スウェーデンで生まれたコレクティブハウスは、「男も女も働くのが当然」という社会の中で女性だけに負担をかけず、楽しく合理的に子育てや家事ができる住まいを目指しているという。ただ日本で普及するにはまだまだ課題が多いようだ。前篇「仕事も子育ても楽しめる集合住宅を目指して」に続き、今回はコレクティブハウスが直面してきた問題を見ていく。


12階建ての日暮里コミュニティの2~3階にあるコレクティブハウス「かんかん森」

 東京都荒川区にある「コレクティブハウスかんかん森」は2003年の開設から10年が経過。今は成熟したコミュニティーをつくりあげているが、それは一朝一夕にできたものではない。ここまで来るには多くの人たちの努力があった。

 スウェーデンのコレクティブハウス事情を視察し、日本にも導入しようとしたのは建築家やジャーナリストなど働く女性たちのグループだった。1990年代から本格的な活動を始めるが、そう簡単にできるものではなかった。「多世代の住まいづくり」を目指していた有料老人ホーム経営の生活科学運営が新設する老人ホームの一部に、コレクティブハウスを組み込む提案をグループに持ち込んだのは99年。そこからも大いに手間がかかった。

話し合いを繰り返しルール作り

 事業主は生活科学運営だが、コレクティブハウス部分については基本的に「大家」の位置付けでしかない。コレクティブハウスを具体化するためにはきちんとした組織が必要になる。そこで女性グループの有志がNPOコレクティブハウジング社(東京・豊島)を設立。ここが事前に入居者を募集、何度も話し合いの場をつくって生活のルールなどを議論していった。

 一部設計も担った。食事当番を決めて入居者の食事をつくるコモンミールも、実際に何度も試してみたうえで導入を決めた。そして実際に入居が始まると入居者で居住者組合を設立。組合がかんかん森の管理・運営に当たるようになった。当初からの関係者で今の住民でもある坂元良江さんは「手弁当で何十人もの人が協力してくれたおかげで、なんとかうまくスタートできた」と振り返る。

 その後も様々な波風があったようだ。忙しいなどの理由で当番をさぼる人が出てきて、不公平だとの不満が高まったり、運営方針に違和感を持つ人も出てきた。転勤などの事情ではなく、「合わない」と退居した人もいる。

 中でも大きな課題は、個々の住民と居住者組合、大家との関係だったという。


かんかん森には共用のランドリーコーナーもある

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