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残菜が半減した「日本一おいしい」足立区の給食作り

すべてのスタートは「食べ残しゼロ」を目指した区長のマニフェスト

「おいしい」の先にある、足立区が目指す給食のこれから

 こうした取り組みの成果の一方で、浮かび上がってくる課題もまた少なくはない。給食のトレンドである「地産地消」は、都会では食材のバリエーション不足のデメリットにつながる場合も。足立区では農協(JA)の協力を得て、東京で作られた小松菜給食の日を設けてきたが、3.11以降、放射能を懸念する保護者への配慮から食材産地の情報開示や基準値の測定問題など「安全・安心」の問題も大きなテーマとなっている。

 加えて食中毒に代表される衛生問題や昨今取り沙汰されるアレルギー問題など課題は多岐にわたる。たとえばアレルギーに関して。魚、卵、小麦、穀物、そばなどの代表的なものに加え、給食の作り手がゴム手袋で食材を触った場合、アレルギー反応を起こす可能性があるとされる「ラテックスアレルギー」など年々、アレルギーの原因は細部化・多様化するばかりだ。

 また近年、肥満児童・生徒の割合は減少しているが、こと足立区においては東京都の平均より高い。25年度からは糖尿病予防に特化した対策として「あだちベジタベライフ」の強化・改善に力を入れている。野菜をもっと好きになってもらい、食事では野菜から先に食べよう、という働きかけだ。

 一日に必要な野菜摂取量は大人の場合、350gと言われている。給食一食分で子ども達に提供できる野菜の量は小学生で100g、中学生で125gと限りがある。一日に必要な野菜量に換算すると給食でまかなえるのは約35%~40%。子ども達の野菜不足を解消するには残りの60%を家庭で補う必要がある。

 

子どもに野菜を食べさせるだけではなく、料理の作り方まで教えるのが秘訣

 足立区教育委員会でも現在進行形で新たなプロジェクトが推進中だ。それは「子ども達が自分たちで作れる超・簡単野菜料理のレシピ作成」

 「例えば、ダイコンの味噌汁、というシンプルなものでもいいと考えています。思わずうちでもやってみよう、と思ってもらえることが最初のゴールです」(黒川さん)

 子ども達がつくった味噌汁をパパやママが「美味しい!」と褒めてくれれば、作る喜びを知ることにつながり、食べることや食材への興味も湧く。現在、12グループの栄養士グループが定期的に集まり、レシピを開拓中だ。本音を言えば、忙しい共働き層にとっては嬉しいニュースだ。ぜひとも応援したい。

 最後に。足立区役所では14階にあるレストラン「ピガール」にて「給食メニュー」が実食できる。平日の朝11時30分から30食限定で子どもたちが学校で食べているレシピと同様の「給食」が食べられる。1食550円とリーズナブルなので、12時には行列ができ、大概12:30には売り切れ御免、の知る人ぞ知る人気スポット。

 取材にお邪魔したこの日の献立は豚のしょうが焼きごはん。わかめの味噌汁と、ほうれん草の磯和えつき。思った以上にボリューム満点だったが、美味しく完食した。

(ライター/砂塚美穂)

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